Vercel (ヴァーセル) は6月29日(現地時間)、Vercel CLI (コマンドラインインターフェース) を通じてリアルタイムのパフォーマンスデータ「Speed Insights (スピードインサイト)」の各種メトリクスを直接クエリできる新機能を提供開始した。これにより開発者は、ウェブサイトのクライアントサイド測定データをコマンドラインから即座に取得可能となる。Core Web Vitals (コアウェブバイタル) を含む主要なページパフォーマンスメトリクスの監視・分析が効率化され、継続的インテグレーション/デプロイメント (CI/CD) パイプラインへの統合が進むことが見込まれる。

Vercelが新たに提供を開始したこの機能は、開発者がvercel metricsコマンドを使用することで利用できる。これにより、ウェブアプリケーションのパフォーマンスに関する詳細なデータポイントを、ブラウザベースのダッシュボードを介さずに、開発環境から直接取得することが可能となる。

取得できる主要なメトリクスには、Core Web Vitals (コアウェブバイタル) であるLargest Contentful Paint (LCP)、Interaction to Next Paint (INP)、Cumulative Layout Shift (CLS) が含まれる。これらに加え、First Contentful Paint (FCP) やTime to First Byte (TTFB) といったその他の重要なページパフォーマンス指標もサポートされる。

vercel metricsコマンドは、柔軟なクエリオプションを提供する。ユーザーは特定の期間、環境(例: 本番、ステージング)、地域、デバイスタイプ(例: モバイル、デスクトップ)などのディメンションでデータをフィルタリングし、より具体的な分析を行うことが可能だ。例えば、過去7日間でINPが著しく悪化したページはどれかといった質問に対し、指定された条件に基づいて該当するURLとメトリクスをCLI出力として直接取得できる。また、特定の地域におけるモバイルユーザーの体感速度を調べたり、異なる期間やデバイス間でCLSの傾向を比較したりすることも容易になる。

この機能の導入は、開発者のワークフローに大きな変革をもたらす。従来のウェブUIベースのモニタリングツールでは、手動でのデータ抽出や分析が必要だったが、CLIからの直接アクセスにより、これらのプロセスを自動化できる。具体的には、継続的インテグレーション/デプロイメント (CI/CD) パイプラインにvercel metricsコマンドを組み込むことで、プルリクエストごとにパフォーマンスの回帰テストを自動で実行し、パフォーマンス指標が事前に設定された閾値を超えた場合にデプロイをブロックするといった運用が可能になる。これにより、本番環境へのパフォーマンス劣化の混入を未然に防ぎ、継続的な品質維持に貢献する。

さらに、このCLIアクセスは、AIエージェントや自動化スクリプトとの連携を容易にする。開発者は、AIエージェントに対し、先週と比較してCLSが悪化したページを特定し、その情報に基づいて質問に答えてほしいといった指示を与えることで、パフォーマンス最適化のタスクを効率化できる。より詳細なコマンドの使用方法、サポートされるメトリクス、ディメンション、フィルター、クエリオプションについては、Vercelの公式ドキュメンテーションで確認できる。


参考: Vercel Blog — 2026年6月29日 17:00 (JST)

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