Epoch AI (エポックAI)は2026年5月21日(現地時間)、AIチップの部品コスト構成に関する詳細な調査結果を発表した。同社のデータによると、2024年第1四半期から2025年第4四半期にかけて、AIチップの総部品コストに占める高帯域メモリ (HBM) の割合が52%から63%へと顕著に増加した。この分析は、Nvidia、AMD、Google、Amazonが設計したAIチップを対象に、生産量で加重平均して算出されている。

Epoch AI (エポックAI)の調査結果は、人工知能 (AI) の進化に伴う半導体市場の変化を明確に示している。同時期において、AIチップの演算処理を担うロジックダイ (logic dies) のシェアは13%前後で横ばいを維持した。一方で、複数のダイを統合する先進パッケージング (advanced packaging) の割合は19%から15%に減少し、その他補助コンポーネント (auxiliary components) のシェアも15%から9%へと減少した。これらの変化は、HBMがAIチップ製造におけるコスト構造において、他の主要部品を上回るペースでその存在感を増していることを浮き彫りにしている。

絶対額で比較すると、Nvidia、AMD、Google、Amazonの4社がHBMに投じる支出は大幅に増加している。2024年の約120億ドルから、2025年には320億ドルへと急増し、これは同期間における他のどのAIチップ部品よりも速い年間増加率を示している。AIチップ部品全体の総支出額も、2024年の約220億ドルから2025年には520億ドルへと拡大したが、このうちHBMへの支出増が約200億ドルを占め、全体の支出増を強く牽引している状況だ。AIモデルの大規模化と複雑化が進むにつれて、データ処理能力のボトルネック解消に不可欠なHBMの需要が飛躍的に高まっていることが、このコスト構造変化の背景にあると見られる。

HBMの需要が供給を上回り、価格が上昇しているため、2026年にはAIチップ部品コストにおけるHBMの割合がさらに拡大する可能性が指摘されている。主要なハイパースケーラー企業は、すでにこのような部品価格の高騰を設備投資 (capex) ガイダンスに織り込んでいると見られる。具体例として、Microsoft (マイクロソフト) は2026会計年度の設備投資見通し1900億ドルに、部品価格上昇による約250億ドルが含まれることを明らかにしている。また、Meta (メタ) も同様の要因により、2026年の設備投資範囲を当初計画から100億ドル引き上げることを発表しており、AIインフラ構築におけるHBMコストが企業財務に与える影響の大きさが浮き彫りとなっている。HBMの供給安定化とコスト効率化は、今後のAI産業の発展において極めて重要な課題となる。


参考: epoch.ai — 2026年6月11日 09:00 (JST)

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