IBM Researchは2026年8月11日(現地時間)、AIエージェントが過去の軌跡から学習するシステム「エーエルティーケー・エボルブ (ALTK-Evolve)」を発表した。このシステムは、既存の「エーシーイー (ACE)」と比較して、エージェントの推論時におけるトークン消費量を大幅に削減しながら、同等またはそれ以上のタスク達成率を達成したとしている。両システムはエージェントの経験を圧縮しない点で共通する一方、モデルへの情報の提供方法で差異がある。
エーエルティーケー・エボルブ (ALTK-Evolve) とエーシーイー (ACE) は、どちらもエージェント自身の過去の軌跡を再利用可能な教訓として記憶し、推論時にフィードバックするエージェント記憶の一種である。両システムは、学習した教訓を要約・圧縮しないという点で共通の見解を持つ。しかし、記憶の構築方法と、特にモデルへの提供方法において異なる。
エーシーイー (ACE) は、生成器、リフレクター、キュレーターのループを通じて一つの包括的なプレイブックを構築し、各ステップでこのプレイブック全体をモデルに注入する。これに対し、エーエルティーケー・エボルブ (ALTK-Evolve) は、高頻度でサポートされるガイドラインの小規模な核となる部分を固定的に提供し、タスクに応じて関連性の高い少数のガイドラインを追加する選択的アプローチを取る。モデルの能力に余裕がある場合は、統合されたガイドラインセット全体を提供する。
この提供方法の違いがトークン消費量に影響を与える。AppWorldベンチマーク上でDeepSeek-V3.2モデルを使用した場合、エーシーイー (ACE) が634Kトークン/タスク、エーエルティーケー・エボルブ (ALTK-Evolve) が263Kトークン/タスクを消費し、エーエルティーケー・エボルブ (ALTK-Evolve) はエーシーイー (ACE) の約40%の推論コストで高いタスク達成率を示した。また、gpt-oss-120bモデルでは、エーシーイー (ACE) が777Kトークン/タスクに対し、エーエルティーケー・エボルブ (ALTK-Evolve) は116Kトークン/タスクと、約7分の1のコストで同等またはそれ以上の性能を記録した。
参考: Hugging Face Blog (アーカイブ) — 2026年8月11日 22:37 (JST)