TechCrunchは2026年9月26日(現地時間)、同媒体のドミニク・マドリ・デイビス記者が、ビデオ生成スタートアップのシンセシア (Synthesia) の協力のもと、自身のインタラクティブなデジタルアバターを作成したと報じた。このアバターは、デイビス記者が執筆したベンチャー詐欺に関する記事の内容にのみ応答するよう訓練されている。デイビス記者は、自身のデジタルツインとの対話経験を通じ、人工知能技術を用いた人間模倣の将来について複雑な感情を抱いたと述べている。
シンセシア (Synthesia) は、英国を拠点とするデジタルアバター関連スタートアップであり、今年初めに評価額40億ドルに達したと報じられている。同社は企業向けに人工知能アバターを用いたインタラクティブなトレーニングビデオを提供しており、最近では従業員がセールスピッチなどをアバターと練習できるRoleplay Sessionsを立ち上げた。
デイビス記者は、シンセシアのニューヨーク新オフィス開設時に自身の人工知能アバター作成を打診され、承諾した。これはシンセシアがジャーナリスト向けにデジタルアバターを作成した初の事例となる。アバターの作成には、ミニフィルムスタジオでの多数の写真撮影と2分間の音声録音が行われた。作成されたアバターには、記者のスクリプトを読み上げるパーソナルアバターと、質疑応答が可能なインタラクティブアバターの2種類がある。インタラクティブアバターは、音声認識、動画、言語モデル、テキスト読み上げモデルの組み合わせで動作する。
このインタラクティブアバターは、デイビス記者が執筆したベンチャーキャピタル支援スタートアップが非VC支援スタートアップよりも詐欺を多く行う理由に関する記事を学習データとしており、その内容に関する質問のみに限定して回答する。デイビス記者がアバターに個人的な質問を投げかけた際にも、アバターは常にベンチャー詐欺の記事に話題を戻したという。
シンセシアのアバター技術スタックには、同社のビデオおよび音声モデルが含まれるが、顧客はカーテシア (Cartesia)、イレブンラボ (ElevenLabs)、Google、OpenAIなど、他のラボの代替モデルも選択可能である。アバターのホスティングについても、顧客が自身のクラウドを選択するか、シンセシアに依頼することが可能だ。デイビス記者は、自身のデジタルツインが決定論的であり、学習データに基づかない新しい応答をしない点に言及した上で、ジャーナリズムにおける信頼性の問題や、将来における人工知能アバターと人間の役割について疑問を呈した。
参考: TechCrunch Funding — 2026年9月26日 23:00 (JST)