arXiv cs.CRは2026年6月30日(現地時間)、アディティブマニュファクチャリング (AM) の知的財産 (IP) 窃盗につながる新たなサイドチャネル攻撃手法を論文で提出しました。この研究は、2台のスマートフォンの内部センサーを使用し、3Dプリンターから60 cm離れた非見通し線 (non-line-of-sight) の条件下で音響および磁気のエミッションを収集。最終オブジェクトのG-codeコマンドを98.89%の精度で再構築することに成功し、3Dプリンティングにおけるセキュリティの脆弱性を指摘しています。
論文A Non-Line-of-Sight, Multi-Modality-based Side-Channel IP Theft Attack on Additive Manufacturing Using Dual Smartphonesは、Amirhossein Jamarani氏、Diba Afroze氏、Yazhou Tu氏、Mark Yampolskiy氏、Xiali Hei氏らによって執筆されました。この研究は、アディティブマニュファクチャリング (AM) の使用が増加するにつれて、製造プロセス中の意図しないサイドチャネルエミッションによる知的財産 (IP) 漏洩のリスクが高まるという背景に基づいています。
従来の3Dプリンターに対するサイドチャネル攻撃は、G-code再構築の成功率と精度が低いこと、攻撃可能な距離が限られること、そして特殊なデータ収集ツールへの依存という三つの課題に直面していました。研究チームは、これらの課題に対処するため、2台のスマートフォンの内部センサーを活用したサイドチャネル攻撃手法を開発しました。
具体的には、3Dプリンターから60 cm離れた非見通し線 (non-line-of-sight) 配置でスマートフォンを設置し、プリンターから発せられる音響および磁気のエミッションを収集しました。この手法を用いることで、最終オブジェクトのG-codeコマンドをコマンドレベルで98.89%の再構築精度で復元できることを実証しています。
さらに、研究チームは、この攻撃戦略の転用可能性も評価しました。異なる環境にある別の3Dプリンターに適用した結果、同様の成果が得られることを確認したと報告しています。再構築されたG-codeへの不正アクセス、ひいてはAMシステムの知的財産 (IP) への不正アクセスが実証されたことは、3Dプリンティングにおけるセキュリティの脆弱性を示しており、サイドチャネル攻撃を軽減する必要性が強調されています。
参考: arXiv cs.CR — 2026年7月2日 13:00 (JST)