Sebastian Raschkaは2026年6月27日(現地時間)、自身のウェブサイトで、ローカル環境で動作するコーディングエージェントの構築方法を解説する記事を公開した。オープンウェイトの言語モデル(LLM)とオープンソースツールを活用し、プロプライエタリなサービスからの独立、透過性、検証可能性、およびプライバシー保護といった利点を強調。ハードウェアと電気代を除けば無料で実行可能であり、費用対効果の高い選択肢として提示している。
Raschkaは、ローカルセットアップがもたらす利点として、透明性、検証可能性、およびハードウェアと電気代以外の実行費用がかからない点を挙げている。加えて、ユーザーが完全に制御でき、コーディングハーネスを自由に改変できるほか、プライバシー保護の観点からも優位性があるとしている。例えば、機密性の高いデータを処理する際、ローカルモデルを使用することでデータが外部サービスに送信されないため、安心感が高まるという。OpenAIやAnthropicのようなプロプライエタリなサービスにおけるプラン制限やAPI価格変更からの影響を受けないこと、再現性の向上、インターネット接続がない環境でのオフライン利用といった動機も示された。
記事では、ローカルコーディングエージェントハーネスの概要を説明し、多くのハーネスが類似の原理と機能を持つと述べている。Raschkaは、主にQwen3.6とQwen-Coderの組み合わせを使用するとしつつ、Claude CodeやCodex、Clineなどの他のハーネスでローカルLLMを使用する選択肢も紹介。QwenモデルがQwen-Codeハーネスで最適化されている理由として、Nvidiaが2026年5月に公開した論文 Polar: Agentic RL on Any Harness at Scale に掲載されたベンチマークを引用した。これによると、Qwen3.5-4BベースモデルがQwen-Codeハーネスにおいて最高のコーディング性能を示している。
Qwen3.6 35B-A3Bモデルは、ダウンロードに約22 GB、実行にはおおよそ30〜40 GBのRAMを必要とし、Mac Mini with M4やDGX Spark上で高速に動作するとされる。Cohereが6月上旬に発表したベンチマークによると、同サイズクラスでは現在最高のローカルモデルであると評価されている。代替として、CohereのNorth Mini Codeも興味深い選択肢として挙げられた。Raschkaは、ローカルLLMをセットアップするためのオプションとして、Ollama、LM Studio、vLLM、SGLang、MLXなどを列挙し、自身でモデルをスクラッチで実装する利点にも触れている。
参考: Ahead of AI (Sebastian Raschka) (アーカイブ) — 2026年6月27日 20:21 (JST)
原文ハイライト"Polar: Agentic RL on Any Harness at Scale"