Crunchbase Newsは6月18日(現地時間)、米国のスタートアップが実施した週間資金調達ラウンドのトップ10を公開した。人工知能 (AI) のワールドモデルを開発するオデッセイ (Odyssey) が3億1,000万ドルのシリーズBラウンドを主導し、評価額は14億5,000万ドルに達した。大規模な資金調達全体は比較的低調だったものの、AIインフラ、サイバーセキュリティ、防衛、量子コンピューティングといった戦略的分野への投資が目立つ結果となった。
オデッセイ (Odyssey) はAIワールドモデルを開発しており、現実世界の環境のマルチモーダルシミュレーションを作成する。今回のシリーズBラウンドはNatural Capitalが主導し、Amazon、AMD Ventures、EQT、Google Ventures、IQT、SignalRankなどの投資家が参加した。Crunchbaseによると、オデッセイの累計資金調達額は3億3,700万ドルに達している。
第2位には、フィンテック企業のクロノグラフ (Chronograph) が1億4,000万ドルのプライベートエクイティラウンドで続いた。同社は、プライベートキャピタル投資家向けのポートフォリオモニタリング、レポート、デューデリジェンスソフトウェアを提供しており、今回の調達により累計資金は1億6,000万ドルとなった。
以下、複数の企業が同額で第3位に並んだ。AIインフラ企業のハイドラ・ホスト (Hydra Host) は1億ドルのシリーズAを調達した。同社は、分散AIコンピューティングインフラストラクチャに顧客を接続するベアメタルGPUプラットフォームを運営している。
サイバーセキュリティ分野では、エントAI (Ent.AI) がシードラウンドで1億ドルを調達し、ステルスモードから脱却した。同社はAIを活用したワークスペースセキュリティプラットフォームを提供し、ユーザーとAIエージェントの行動をリアルタイムで分析し、サイバー脅威を未然に防ぐ。
同じくサイバーセキュリティおよび防衛分野では、トゥエンティ・テクノロジーズ (Twenty Technologies) が1億ドルのシリーズBラウンドを実施した。同社は、US military and intelligence agencies向けにAI対応のサイバー戦システムを開発している。Crunchbaseによると、累計調達額は1億3,800万ドル。
量子コンピューティング企業のアトム・コンピューティング (Atom Computing) も1億ドルのシリーズCラウンドを完了した。同社は中性原子型量子コンピューターを開発しており、今回のラウンドはThird Point Venturesが主導した。同社はベンチャー資金に加え、CHIPS and Science Actに基づきU.S. Department of Commerceから1億ドルの意向表明書も受領した。
その他、バイオテクノロジー企業のトリベニ・バイオ (Triveni Bio) が6,500万ドルのシリーズCラウンドを完了し、累計調達額は2億7,200万ドルに達した。
第10位には、AI関連企業としてブランドAI (Bland AI) が5,000万ドルを調達し、フィンテック企業のインターチェックス (Interchecks) も5,000万ドルを調達した。
今回の週間資金調達ラウンドは、全体の資金調達額が低調な中でも、AIワールドモデル、AIインフラストラクチャ、サイバーセキュリティ、防衛、量子コンピューティングといった戦略的分野への投資が集中する傾向を示した。
参考: Crunchbase News — 2026年6月19日 03:45 (JST)