Tristan Liang氏とAravind Nagulu氏らは2026年10月22日(現地時間)、arXiv cs.AIで論文を公開し、大規模言語モデル(LLM)コーディングエージェントがRFおよびミリ波モジュールの回路合成を半自律的に主導する新しいフレームワーク「TACS-RF(Tool-driven Agentic Circuit Synthesis of RF and mmWave Modules)」の詳細を提示した。本フレームワークでは、Claude Opus 4.8などのLLMエージェントがCadence Virtuoso/Spectre(ケイデンス・バーチュオーソ/スペクター)やAnsys HFSS(アンシス・エイチエフエスエス)といった業界標準の電子設計自動化(EDA)ツールを直接操作する。研究チームは240-251 GHzのサブテラヘルツ帯トランスミッター設計で有効性を実証した。

TACS-RFは、大規模言語モデル(LLM)コーディングエージェントが、Cadence Virtuoso/Spectre、Calibre、Cadence EMX、Ansys HFSSといった業界標準の電子設計自動化(EDA)ツールを直接操作し、RFおよびミリ波モジュールの回路合成を担うフレームワークである。エージェントにはClaude Opus 4.8が用いられている。

研究チームは、このTACS-RFフレームワークを、90 nm SiGe BiCMOSプロセスを用いた240-251 GHzサブテラヘルツ帯トランスミッターの設計で検証した。エージェントは、60 GHzプッシュプル・コルピッツVCO(第2高調波抽出付き)、多段差動カスコードパワーステージドライバ、プッシュプル周波数逓倍器、差動ボウタイアンテナ、およびすべてのインターステージマッチングネットワークといったサブブロックを半自律的に設計した。

寄生抽出されたデバイスと電磁気(EM)検証済みの受動部品を含むトランスミッターチェーンは、11 GHzのバラクタのみのチューニング範囲で+5.1から+6.3 dBmの出力を実現した。1 MHzオフセットでの位相ノイズは-80から-88 dBc/Hzであり、DC消費電力は361 mWであった。

論文では、エージェント主導の設計フローと、人間とエージェント間の分業について詳細が記述されており、RF/ミリ波ハードウェア設計におけるテキストからASICへの設計フローに向けた一歩と位置づけられている。この研究成果は、2027年のIEEEラジオ・アンド・ワイヤレス・ウィーク(RWW)内のシリコン・モノリシック集積回路・イン・RFシステムズ(SiRF)で発表される予定である。


参考: arXiv cs.AI (アーカイブ) — 2026年10月26日 13:00 (JST)

原文ハイライト

"Accepted for presentation at the 2027 IEEE Radio and Wireless Week (RWW)"

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