スキルドAI (Skild AI) は2026年10月24日(現地時間)、開発したロボティクス基盤モデル「S1」がFoxconnで導入段階にあるほか、住友電装 (Sumitomo Wiring Systems) での導入に向けて作業を進めていると報じられた。S1は1本の動画から新たなロボットタスクを学習する能力を持ち、数時間にわたるテレポート操作の必要性を排除する。同社は三井物産 (Mitsui & Co.) ともキッチンロボットのパイロット運用を進めている。
スキルドAIは2023年に元カーネギーメロン大学のディーパック・パタック (Deepak Pathak) 氏とアビナブ・グプタ (Abhinav Gupta) 氏によってピッツバーグで設立された。同社は、特定のタスクに特化したAIモデルではなく、あらゆるロボットを動かせる単一の汎用脳を構築するというビジョンを掲げている。パタック氏がCEOを、グプタ氏がプレジデントを務める。
S1は、2026年8月に発表された同社の前世代モデル「Skild Brain」の後継として導入された。S1はインコンテキスト学習機能を特徴とし、単一の動画デモンストレーションから、未見のタスクや最大10分間のタスクを実行できる。NVIDIAのAIインフラを基盤としており、人間のデモンストレーション動画、テレポート操作、手続き的に生成された物理シミュレーションの3つのデータソースで事前学習される。
同社は2026年9月10日時点で、年間経常収益 (ARR) が1億ドルを突破し、既に5000万ドルを認識していると報告している。最初の商業導入から10ヶ月で60以上の有料顧客を獲得した。収益の約90%は食品調理、セキュリティ検査、倉庫および工場作業などの操作タスクによるもので、残りの約10%がモビリティによるものとされている。
スキルドAIはB2Bライセンスモデルを採用しており、ロボットメーカー、ロジスティクス事業者、産業企業が同社のモデルを自社の物理システムで実行するためにライセンス費用を支払う。同社はロボット自体は直接販売しない。2026年1月までの4回の資金調達ラウンドで総額約22億ドルを調達し、評価額は140億ドル以上に達している。これは当時のロボティクスAI分野における最大の資金調達ラウンドとなった。
現在、主要な取り組みとして、FoxconnおよびNVIDIAとのNVIDIA Blackwellシステム組立におけるデュアルアームマニピュレーターの導入、住友電装でのワイヤーハーネス製造へのS1導入に向けた作業、そして三井物産との汎用キッチンロボットのパイロット運用を挙げている。三井物産は日本のサプライチェーンを通じて1日あたり140万食を提供している。
原文ハイライト"S1, an in-context-learning robotics foundation model that executes unseen tasks"