TechCrunch Fundingが2026年9月13日(現地時間)付けで報じたところによると、Y Combinatorの最新のDemo Dayにおいて、ベンチャーキャピタル (VC) が選定した9社のスタートアップが高い評価を得た。今回のコホートは例年よりもディープテック(deep tech)分野に大きく傾倒しており、一部の投資家は技術が「SFのようだ」と評した。同時に、評価額は近年と比較してより堅実な水準にとどまったとされる。

今回のY Combinator Demo Dayでは、特に注目を集めたスタートアップとして、以下の9社がアルファベット順に挙げられた。

Atomarine: 原子力動力による海上データセンターの開発を進めている。MIT出身者が共同設立し、電力不足とデータセンター建設への地域社会の反対に対応するため、洋上で海水を冷却に利用する。2028年までにガス動力によるパイロット版を、2032年までに浮遊型原子力船への移行を計画しており、既に40億ドルを超える顧客からの関心(letter of intent)を獲得したと主張している。

Dipole Labs: AIデータセンター向けのエネルギー効率の高い高速光ネットワークハードウェアを開発。GPUクラスターにおけるデータ転送の待機時間を短縮するため、光から電気への変換を省く光学スイッチを構築した。

Isengard Industries: ジェット動力の攻撃・迎撃ドローンを同盟国内で大量生産することを目指す。共同設立者には元オーストラリア陸軍将校が含まれ、既に1000万ドルの収益を上げており、今回のコホートで高い評価額を得た企業の一つとされている。

Lamb Labs: AIモデルのウェイトを直接シリコンにハードコードするカスタム推論チップModel Processing Units (MPUs)を開発。エネルギー効率を大幅に向上させ、メモリー帯域幅のボトルネックを解消することを目指している。

Praxis AI: ロボット訓練用の実世界データ収集を行う。企業と提携して人間の作業のビデオデータを収集し、ロボット開発企業向けの訓練材料に変換している。既に上場企業と協力し、150以上の異なる環境でビデオデータを取得している。

Nori: 日常の家事をこなせる手頃な価格のロボットを開発。発表から6週間で約50万ドルの売上を記録し、価格は約1,600ドルと、他の人型ロボットと比較して大幅に低い。洗濯物の掃除や折り畳み、食洗機のセットといった日常タスクの自動化を目指している。

Cosmic Robotics: 重量物を持ち上げられる自律ロボットを開発。最終的には火星に都市を建設するビジョンを掲げ、その第一歩として重労働ロボット技術を開発している。既に米国でソーラーパネルの設置に技術が利用され、2027年までに2500万ドルの契約を獲得している。

Parasma: 人間の脳細胞を将来のコンピューティング能力に利用することを探求している。AIモデルの実行に必要な電力とエネルギーの問題に対処するため、人間の脳細胞を現在のAIコンピューティングハードウェアに代わる、よりエネルギー効率の良い選択肢として検討している。

Waddle Labs: ロボット制御コードを記述するAPIレイヤーを開発。LLM(大規模言語モデル)エージェントの層を用いてコードを生成し、ロボットを直接制御する。開発者が自然言語でロボットに指示を与えると、AIエージェントが実行可能な制御コードを自律的に生成すると主張している。


参考: TechCrunch Funding (アーカイブ) — 2026年9月14日 05:28 (JST)

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