OpenAIは2026年8月1日(現地時間)、数学および理論計算機科学分野で長年にわたり未解決だった10の主要問題に対し、新たな研究成果を発表した。これらの成果は、開発中の大規模言語モデル「アストラ (Astra)」の内部バージョンを用いて達成されたという。
OpenAIは、科学者や数学者が発見を加速するツールを使えるよう支援しており、その一環としてChatGPT for Academic Researchersを通じ、10万人以上の科学者および数学者にChatGPTモデルへの無償アクセスを提供している。今回の発表は、2026年5月に公開された、AI生成によるエルデシュ (Erdős) 単位距離予想の反証に続くものとなる。
同社が今回共有した10件の結果は、高次元幾何学、符号理論、算術回路計算量、群論、作用素環、量子計算量、格子暗号、極値組み合わせ論など、多岐にわたる分野に及ぶ。具体的には、高次元球充填におけるコーン–エルキース (Cohn–Elkies) 閾値までの上限更新、二値コードおよび球面コードの最大サイズに関する指数関数的に改善された境界、非ソフィック群の存在確立、コーンズ (Connes) の剛性予想の反証などが含まれる。
また、算術回路におけるパーマネント計算の下限、一般的な二者量子ゲームに対する指数関数的並列反復定理、最近ベクトル問題の多項式因子近似困難性、あらゆる次元でのEhrhartian多面体の最大体積を決定すること、多色三角形ラムゼイ (Ramsey) 数の超指数関数的な下限、極値グラフ理論におけるエルデシュ問題146および180に関する解決も発表された。これらの解決にかかったトークン数は、Sol APIレートで約2,000ドル相当とされている。
これらの数学的議論はOpenAIのシステムによって生成された後、人間が同じモデルを用いて原稿を準備し、各議論はリーン (Lean) 証明書で形式化された。OpenAIは、AIシステムが数学研究に貢献する能力の出現が提起する問題について、数学コミュニティとの対話を求めている。同社は、AIシステムによって完全に生成された証明に対して人間の帰属を主張することは、システムの貢献と人間の知的作業の性質を誤って伝えることになるとの見解を示している。
参考: OpenAI Blog (アーカイブ) — 2026年7月29日 15:00 (JST)