Vercelは2026年9月14日(現地時間)、デジタルマインド構築プラットフォームを提供するDelphiが、従来のPythonバックエンドをVercelに移行したと発表した。この移行により、Delphiの開発チーム全体が1日に100回以上の本番デプロイを行っている。Vercel WorkflowsやVercel Queuesの活用により、Delphiはインフラストラクチャの管理負担を軽減し、開発プロセスの大幅な加速を達成した。

Delphi (デルファイ) は、個人の知識や思考をデジタルマインドとして再現するプラットフォームを開発している。同社は、ユーザーの要求に迅速に対応するため、優れた開発者体験とエージェント体験が不可欠であると指摘する。Delphiのフロントエンドは当初からVercelで稼働していたが、バックエンドは以前、AWS上でECS、Docker Desktop、およびローカルデータベースを使用して運用されていた。この従来の構成では、新しいエンジニアが最初のデプロイを行うまでに1日を要するなど、オンボーディングの遅さが課題となっていた。

DelphiはバックエンドをVercelへ移行することで、インフラストラクチャの設計と所有にかかる負担をなくした。この移行はVercel WorkflowsとVercel Queuesの導入によって可能になった。これらの機能は、長時間の処理やバックグラウンドジョブをコードベース内の関数として直接記述でき、Vercelがデプロイ時に必要なインフラをプロビジョニングする。これにより、Delphiの創業エンジニアであるスペンサー・ショーベン (Spencer Schoeben) 氏は、Vercelがあれば、インフラについてほとんど考える必要がないと述べている。

バックエンドのVercel移行後、Delphiはバックエンドの変更を重量級のリリースとしてではなく、日常的なプロダクト作業として扱うようになった。チームはステージング環境をスキップし、機能フラグとA/Bテストを利用して、1日に100回以上の変更を直接本番環境にデプロイしている。Vercel Agentの異常検知機能がこの高速なデプロイペースで本番環境の動作を監視し、問題があれば特定する。これにより、エンジニアだけでなく、プロダクト責任者や成長チームもダッシュボード、プロトタイプ、実験を構築・デプロイできるようになった。

Delphiのエンジニアはクラウドエージェントに問題を渡し、その成果をVercelのプレビューデプロイで確認する。プレビューデプロイはプッシュごとに独自のライブURLを提供し、携帯電話やSlackのスレッドから結果を確認できる。また、Vercel Sandbox上で稼働するDelphiの内部エージェントは、カスタマーサクセスチームがSlackで問題を問い合わせる際に、根本原因と修正案を提供する。このエージェントはVercelのagent frameworkであるeveで構築されている。

DelphiのチャットトラフィックはAI Gatewayを通じて処理される。AI Gatewayは各デジタルマインドに最適なモデルを選択し、新しいモデルがリリースされた場合でも同日中にルーティングを可能にする。また、AI Gatewayはフェイルオーバー機能も提供する。


参考: Vercel Blog — 2026年9月15日 13:00 (JST)

原文ハイライト

"With Vercel, we barely think about infrastructure at all."

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