Metaは7月13日(現地時間)、カスタムデータセンターAIチップ「Iris」の製造を9月に開始する計画であることが内部文書から明らかになった。同社は広範な第4世代MTIAロードマップの一環としてこのチップを開発しており、2027年までに計算インフラを14ギガワット(GW)に拡大することを目指している。これは2026年目標の7GWから倍増となる計画だ。
「Iris」チップは、Metaのトレーニングおよび推論ワークロード、特にFacebookとInstagram向けのタスクに特化して設計されている。このチップはBroadcom (ブロードコム)と共同開発され、TSMC (台湾積体電路製造)によって製造される予定だ。これまでのテストは6週間で完了し、大きな問題は確認されなかったと報じられている。
今回の動きは、MetaがNvidia (エヌビディア)およびAMD (エーエムディー)製のGPUへの依存度を低減し、レコメンデーションシステム、コンテンツモデレーション、生成ツールといったAIへの取り組みをさらに強化するための最も積極的な施策の一つと見られている。長年にわたる社内シリコン開発の取り組みにおける急速な進展を示しており、高性能AIチップの確保に向けたハイパースケーラー間の設備投資競争が激化している状況を浮き彫りにしている。Metaは、AIインフラに対して年間で巨額の投資を継続する計画を掲げている。
新しいカスタムシリコンを大規模に展開するにあたり、エネルギー需要の増大とTSMC (台湾積体電路製造)とのサプライチェーン調整が極めて重要となる。計算インフラを2027年までに14GWに拡大するという目標は、既存のデータセンターインフラだけでなく、新たな電力供給源や冷却システムへの大規模な投資が不可欠であることを示唆している。これは、電力会社やエネルギーインフラ関連企業にとって新たなビジネス機会を生み出す可能性がある。
この加速されたカスタムチップのタイムラインは、ビッグテック企業におけるAIインフラの垂直統合を一層強化するものと見られる。自社に最適化されたハードウェアを持つことで、ソフトウェアとハードウェアの連携を深め、より効率的で高性能なAIモデルの運用が可能となる。これにより、AIサービスを提供する上での競争優位性を確立する動きが加速するだろう。同時に、GPUサプライヤー、特にNvidia (エヌビディア)に対して競争圧力をかけることにもつながり、市場の多様化を促進する可能性がある。ソーシャルプラットフォーム各社がグローバル規模でAIを構築・展開する方法を再形成する潜在力を秘めており、今後のAIインフラ投資戦略や半導体市場の動向に大きな影響を与えることが予測される。
参考: techstartups.com (アーカイブ) — 2026年7月13日 23:24 (JST)