Anthropicは8月(現地時間)、科学者向けのAIワークベンチ「Claude Science (クロード・サイエンス)」のベータ版提供を開始した。このツールは、研究者が日常的に使う多様なツールを単一環境に統合し、監査可能な成果物生成と柔軟な計算リソースアクセスを主要な設計思想とする。文献分析から多段階研究の実行、図や原稿の修正に至るまで、研究プロセスの全段階を支援する。
Claude Scienceは、macOSやLinux上でローカルに、またはSSHやHPCログインノード経由でリモートマシンから利用できる。ゲノミクス、シングルセル、プロテオミクス、ケモインフォマティクス向けに60以上の厳選されたスキルとコネクタが事前設定されており、ユーザーは汎用コーディネーションエージェントを介して操作する。このシステムでは、レビュアーエージェントが引用や計算の正確性を確認し、エラーを指摘・修正する。
ワークベンチは、タンパク質、構造、分子をネイティブに表示し、3Dタンパク質構造、ゲノムブラウザトラック、化学構造などの科学的成果物を生成する。図の作成時には、その生成に使用されたコード、環境、平易な説明、メッセージ履歴がすべて含まれるため、結果の検証と再現が容易になる。ユーザーは平易な言葉で図の編集を指示でき、エージェントがコードを自動修正する。
大規模な解析においては、Claude Scienceが計算リソースを管理し、必要に応じて解析規模を拡大できる。ラボの既存インフラストラクチャ上で動作するため、機密性の高いデータが外部に流出することなく、分析に必要なコンテキストのみがシステムに送信される。NVIDIAのBioNeMoとAgent Toolkitを使用し、BioNeMo内のライフサイエンスモデルやライブラリにネイティブ接続する。
Manifold Bio (マニフォールド・バイオ) は組織標的型医薬品の候補選定に、またAllen Institute (アレン研究所) のJérôme Lecoq (ジェローム・ルコック) は多剤エージェントを用いた「計算レビューテンプレート」構築に、それぞれClaude Scienceをベータ版で活用した事例が報告されている。Claude ScienceはClaude Pro、Max、Team、Enterpriseユーザー向けに提供されている。
参考: anthropic.com (アーカイブ) — 2026年8月1日 09:00 (JST)
原文ハイライト"scaling the analysis from a single GPU to hundreds as needed"