ByteDance(バイトダンス)は2026年7月15日(現地時間)、中国で施行された「AI人間化インタラクティブサービス管理暫定措置」に基づき、同社のAIアプリケーション「Doubao(ドウバオ)」における個人化AIエージェント機能を停止した。同様にAlibaba(アリババ)も同日、「Qwen(クウェン)」の個人化AIエージェント機能を停止した。この措置により、Doubaoの月間アクティブユーザー3億4500万人を含む数億人のユーザーが影響を受け、一部ではチャットデータやエージェント設定へのアクセスを失う事態となっている。

中国のAI人間化インタラクティブサービス管理暫定措置は、中国サイバースペース管理局(Cyberspace Administration of China)と国家発展改革委員会、工業情報化部、公安部、国家市場監督管理総局の4機関により2026年4月10日に共同発表された。3ヶ月間の猶予期間を経て、2026年7月15日に法的な効力を持つことになった。

この法律は、顧客サービスボットや職場生産性アシスタントなどの機能型AIではなく、人間の性格特性、思考パターン、コミュニケーションスタイルをシミュレートし、継続的な感情的相互作用を提供するAIサービスを対象としている。規制対象のプラットフォームには、依存症対策システムの実装、2時間連続使用後の機械とのやり取りであることを示す通知の義務化、即時終了メカニズムの提供が求められる。また、不健全な感情的依存の兆候をリアルタイムで検知する必要がある。14歳未満のユーザーには親または保護者の同意が必要であり、18歳未満の仮想的な親密な関係は完全に禁止される。さらに、自己危害や自殺を助長するコンテンツ、現実の関係を損なう形で感情的依存を誘発するコンテンツなど、7つのカテゴリのコンテンツが禁止されている。

ByteDanceもAlibabaも、禁止コンテンツを生成したために機能停止に至ったわけではない。業界アナリストや法務専門家は、永続的な記憶を持つ感情的コンパニオンのアーキテクチャが、法律の要件と構造的に両立しないとの見方を示している。ユーザー履歴を保持し、会話全体で安定したペルソナを維持することで長期的な関係を築くエージェントは、依存症対策の中断や強制通知、リアルタイムでの依存検知といった機能を導入することで、製品としての本質が変化してしまうとされている。両社は既存のエージェントシステムの改修にかかるエンジニアリングコストに見合わないと判断し、機能停止を選択した模様。

ユーザーへの対応はプラットフォームによって異なっている。Doubaoでは、ユーザーは2026年10月15日までエージェント設定とチャット履歴を読み取り専用モードで閲覧できるが、それ以降はデータがByteDanceの標準プライバシーポリシーに基づいて処理され、アプリ内でのアクセスや復元は不可能になる。Qwenでは、エージェント設定と会話履歴が既に完全に削除されており、Alibabaからデータ移行パスは発表されていない。

中国の工業情報化部(Ministry of Industry and Information Technology)専門委員であるパン・ヘリン(Pan Helin)氏は、サウスチャイナ・モーニング・ポストに対し現在のエージェントはまだ成熟していないと述べ、この政策が安全性と標準化を重視していることを示した。Tencent(テンセント)も6月30日に「Yuanbao(ユアンバオ)」アシスタントから類似機能を撤回しており、この措置は業界全体に及んでいる。


参考: techtimes.com — 2026年7月15日 19:08 (JST)

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