arXiv cs.CLは2026年10月30日(現地時間)、研究論文を公開し、大規模言語モデル (LLM) を用いた交渉において、同じ指示を与えても言語が異なることで行動に顕著な違いが生じることが明らかになった。Saehee Eom氏らは、Gemini 3.6 FlashおよびQwen3.7 Flashを使用し、英語と韓国語での交渉シミュレーションを実施。その結果、特定の条件下で合意率に大きな差が見出された。
この研究は、LLMネゴシエーターに与えられた「headstrong」(強情)などの指示が、言語ごとに同じ行動特性を保持するかどうかを検証した。実験では、Gemini 3.6 Flashの買い手と売り手の同一インスタンスを用い、CraigslistBargain (クラッグスバーゲン) の12のシナリオを英語と韓国語で交渉させた。
実験は相互作用言語、売り手の緊急度(なしまたは強い)、買い手のペルソナ(協力的、中立、強情)の組み合わせで設計され、合計432回の交渉が試みられた。結果として、韓国語での交渉は英語に比べて合意に達する頻度が大幅に高く(77.3%対52.5%、24.8ポイント差)、これは主に中立および強情な買い手の場合に顕著であった。協力的買い手は両言語で合意率が既に高水準だった。買い手の初回提示額に言語差はほとんど見られず、差は韓国語における売り手のより大きな譲歩と最終的な価格差の縮小を通じて生じた。また、合意価格も韓国語の方が低かった。
同様の実験をQwen3.7 Flashで繰り返したところ、韓国語での合意頻度が再び高くなるという方向性が確認された(Geminiの結果よりも+13.9ポイント)。分析によると、両言語で拒否や対抗提案といったface-threatening acts(顔を脅かす行為)が頻繁に見られたものの、韓国語の対話では、特に売り手の間で、より多くのpoliteness mitigation(丁寧な緩和)によってこれらの脅威が和らげられていた(11.7%対3.6%)。これらの結果は、相互作用言語のみが変更された場合、プロンプトで定義されたポリシーが、単に異なる言い回しだけでなく、異なるシミュレートされた交渉行動を生み出す可能性を示している。
参考: arXiv cs.CL — 2026年11月4日 14:00 (JST)