Yucheng Jiang氏、Zora Zhiruo Wang氏、Ruishi Chen氏、Diyi Yang氏らの研究者グループは8月20日(現地時間)、コンピューター利用履歴からタスクモデルを誘導する新手法「Task Model Induction (TMI)」を発表した。TMIは、スクリーンショットやマウス、キーボード操作といった受動的に記録された自然なコンピューター利用履歴から、日常業務がどのように行われるかのモデルを導出することを目指している。これは、従来のタスクモデル誘導手法が抱える特定のタスク前提や構造化されたタスクモデルの欠如といった課題を克服し、未制約の利用履歴から潜在的なタスクを自律的に発見・分離する画期的なアプローチを示している。
TMIによって導出されるタスクモデルは、多岐にわたる状況でその重要性が指摘されており、特にコンピューター利用エージェントを実際の作業に導入する際にタスク実行方法を学習する必要があるケースや、組織が特定の業務知識を監査し再利用する場面でその価値を発揮することが期待される。
従来のタスクモデル誘導手法は、特定のタスクや単一のワークフローを前提とすることが多く、構造化されたタスクモデルではなくステップレベルの要約に留まる傾向があった。これに対し、TMIは未制約のコンピューター利用履歴の中から潜在的なタスクを自律的に発見し、さらに並行して行われている複数の活動を精度高く分離するという根本的に異なるアプローチを採用する。これにより、実際の作業環境で複雑に絡み合うタスクを、より現実的な形でモデル化することが可能になる。
TMIは、各潜在タスクについて、二つの主要な要素を組み合わせたタスクモデルを誘導する。一つは再帰的な目標分解によって構成される階層的な目標モデルで、これはタスクの全体的な構造と目的を明確にする。もう一つは実行の順序と関係を組織する制御フローの手順モデルで、具体的な作業ステップの連なりを記述する。これらの組み合わせにより、タスクの「何を」達成し、「どのように」達成するかを包括的に理解できるモデルを構築する。
この新手法の有効性を検証するため、研究者グループは制御された人間およびエージェントの軌跡を用いて評価を実施した。その結果、TMIはインターリーブされたタスクをグランドトゥルースのグルーピングに対して0.974という高い合意度で回復できることが示された。また、観察された実行ステップの74.9%を再構築することにも成功しており、これは最も強力な既存のワークフロー誘導ベースラインを大幅に上回る数値であると評価されている。この成果は、TMIが複雑なタスク構造を高い精度で抽出し、再現する能力を持つことを明確に裏付けている。
さらに、TMIのタスクモデルの実用性を評価するため、外部評価も実施された。この評価では、TMIのタスクモデルから派生したスキルが、最も強力なベースラインと比較して、保留されたタスクの精度を30.0%向上させたと報告された。
参考: arXiv cs.CL (アーカイブ) — 2026年8月21日 02:57 (JST)