CSET(Center for Security and Emerging Technology)は10月5日(現地時間)、ジョシュ・A・ゴールドスタイン (Josh A. Goldstein) 氏とルネ・ディレスタ (Renée DiResta) 氏が外交専門誌「Foreign Affairs」にオピニオン記事を寄稿したと発表した。同記事では、各国政府が従来のプロパガンダ手法に加え、ソーシャルメディア、秘密ネットワーク、インフルエンサー、人工知能を組み合わせることで、多様なプラットフォームでの世論形成がいかに進化しているかを詳述。外国からの影響力行使活動の深化に警鐘を鳴らしている。

ゴールドスタイン氏とディレスタ氏によるオピニオン記事The Triumph of Tech-Fueled Propagandaは、人工知能 (AI) の進化がグローバルなプロパガンダの拡散と到達範囲を加速させている現状を分析している。両氏は、ワシントン (Washington) がこの急速な変化と課題に対し、十分な注意を払っておらず、対応が遅れていると警鐘を鳴らす。

記事では、現代の外国からの影響力行使活動が、単なる意見の表明を超えたものであると詳述している。秘密のネットワーク、インフルエンサー、そして洗練された生成AI技術を融合させることで、より広範なオーディエンスにリーチし、効果的に世論を操作する能力を高めているという。従来のプロパガンダが主に情報伝達に重点を置いていたのに対し、現代のものは個人の関心や行動パターンを分析し、それに合わせてカスタマイズされたメッセージを生成することで、影響力を最大化する点が強調されている。これは、ターゲットとなるユーザーがオンラインで接触するコンテンツやコミュニティの隅々まで浸透し、彼らの信念や価値観を徐々に形成していくことを意味する。

CSETは、過去にもゴールドスタイン氏がオンラインでの影響力行使やAIの悪用に関する専門的知見を様々な媒体で提供してきたと明らかにしている。具体的には、Tech Policy Pressとの対談では、Metaの脅威報告書に言及し、モルドバ (Moldova)、イラン (Iran)、レバノン (Lebanon)、インド (India) における偽アカウントネットワークによる情報操作について議論した。さらに、MIT Technology Reviewでは、OpenAIの生成AI悪用に関する初の報告書に対する見解を述べ、NPRおよびFinancial Timesでは、AIが作り出すスパムや陰謀論がソーシャルメディアに流入する現状について解説している。これらの活動を通じて、ゴールドスタイン氏は、AI技術が情報環境にもたらすリスクと、それに対処するための国際的な協力体制の必要性を一貫して訴えてきた。


参考: CSET (Georgetown) (アーカイブ) — 2026年10月6日 01:00 (JST)

この記事をシェア
X はてブ LinkedIn