Salesforceは8月7日(現地時間)、「2026 Agentic Enterprise Index」を発表し、同社のAgentforceプラットフォームにおけるAIエージェントの利用状況に関する分析結果を公開した。報告によると、組織あたりのアクティブなエージェント数は過去1年間で約3倍に増加し、エージェントの作成から利用までの平均時間は53%短縮された。特に小売部門では、AIエージェントの展開がオンライン売上高を4倍に押し上げる効果を示している。
Salesforceの2026 Agentic Enterprise Indexは、Agentforceプラットフォームの集計データに基づき、AIエージェントのアクティブな展開が急速に進んでいる現状を明らかにした。
分析によると、AIエージェントによって実行される個別のタスクを定義するAgentic Work Unit (AWU)の出力は、2026年4月時点で月次複利成長率 (CMGR) 15%で増加している。特に消費者向け産業でのAWU出力が顕著であり、小売部門がAWU総月間出力の22%を占め、2025年2月から2026年4月にかけてAWUが18倍に急成長した。また、旅行部門も総月間出力の10%を占め、同期間にAWUが7倍に増加している。
エージェントの多用途化も進んでおり、1エージェントあたりの平均スキル数は2025年初頭の2つから同年終わりには6つへと3倍に増加した。特に需要のピーク時には、小売エージェントの平均スキル数が9つに達し、通常時と比較して350%の増加を示している。これは、エージェントがより複雑で多段階の顧客ニーズに対応する能力を高めていることを示唆する。エージェントは異なるクラウドドメインを横断してアクションを実行する能力も向上しており、ヘッドレスアーキテクチャの重要性が増していると指摘されている。
さらに、エージェントの複雑性を示すSophistication Indexを導入し、エージェントのアクションを5段階の認知複雑性レベルに分類した。製造業 (Manufacturing) や金融サービス (Financial Services)、HLSといった規制が厳しく、または運用が複雑な産業では、従来のAI先行業界(テクノロジー、小売など)よりも高度なエージェントネットワークを構築している。金融サービス業界は複雑なエージェントを大規模に展開しており、小売業界は需要に応じてエージェントの複雑性を高める傾向にあるという。
具体的な導入事例として、ジュエリーブランドのPandora (パンドラ) はAgentforceを活用したAIコンシェルジュ「Gemma (ジェマ)」を展開し、ピーク時にルーチンサポートリクエストの60%を処理するとともに、Net Promoter Score (NPS) を10%向上させた。また、Siemens (シーメンス) はAgentforceによるマルチエージェントワークフローを導入し、リードの適格性評価プロセスを自動化している。
参考: salesforce.com — 2026年8月7日 21:00 (JST)