Aaron Fellerらは2026年7月23日(現地時間)、学術論文公開サイト「arXiv cs.LG」にて、分子アンサンブル基盤モデル「アンサンブルEGNN (EnsembleEGNN)」を導入した論文を公開しました。このモデルは、分子構造から特性を予測する際に、単一の代表的なコンフォーメーションではなく、溶液中のコンフォーメーションアンサンブルを考慮します。CREMP-CycPeptMPDBデータセットでの評価では、事前学習済みのEnsembleEGNNがR^2=0.477、Pearson r=0.699を達成し、BERTベースラインを上回る結果を示しました。
アンサンブルEGNN (EnsembleEGNN) は、各コンフォーマーを共有の等変グラフニューラルネットワーク (EGNN) 層で符号化し、その結果得られるコンフォーマー表現をセットアテンションブロック (Set Attention Block) で統合することでアンサンブルを符号化する手法です。
本モデルは、環状ペプチドアンサンブルデータセットであるクレンプ (CREMP) 上で、マスクされたトークン回復、ノイズ付き座標再構築、ペアワイズ距離再構築を組み合わせたマルチタスク自己教師あり学習により事前学習されました。
CREMP-CycPeptMPDBデータセットでEnsembleEGNNをスクラッチから学習させた場合、R^2=0.005と機能しませんでした。しかし、事前学習済みモデルはR^2=0.477およびPearson r=0.699に達し、シーケンスのみのBERTベースライン (R^2=0.439、Pearson r=0.667) を上回る結果を示しました。さらに、EnsembleEGNNをBERTシーケンスエンコーダとエンドツーエンドで共学習させたハイブリッドモデルは、R^2=0.538、Pearson r=0.737へと性能が向上しました。
これらの結果は、コンフォーメーションアンサンブルを熱力学的に情報を持つ単一の埋め込みとして符号化することが、環状ペプチドの特性予測を改善することを示唆しています。本論文は、ICML ‘26のグラフ基盤モデルワークショップ (Graph Foundation Models workshop) に採択されました。
参考: arXiv cs.LG — 2026年7月24日 02:42 (JST)