Stratecheryは2026年5月27日(現地時間)、SpaceXが新規株式公開(IPO)に向けたS-1申請書において、総額28.5兆ドルの潜在市場規模を提示したと報じた。このうちAI関連事業が26.5兆ドルという巨大な機会を占め、同社の事業戦略の中核を成すことが示されている。また、同社の衛星インターネットサービスStarlinkは、アメリカン航空 (American Airlines) の500機以上の航空機に導入される予定であり、事業の多角化と拡大が進展している。
Stratecheryによると、SpaceXは年間売上高186.7億ドルに対し、新規株式公開(IPO)で2兆ドルという高い評価額を求めているとされる。S-1申請書を通じて、同社の事業戦略と将来の成長性が詳細に示された。
同申請書でSpaceXが示した潜在市場規模は総額28.5兆ドルに及ぶ。この広範な市場予測は、多様な事業展開に基づいている。市場の内訳を見ると、まず宇宙関連ソリューションが3700億ドルと試算されている。これは、ロケット打ち上げや衛星配備といったSpaceXの基幹事業が今後も堅調な成長を続けることを示唆している。
次に、Connectivity(接続性)関連事業は合計1.6兆ドルの市場規模が見込まれている。その大部分を占めるのは、同社の衛星インターネットサービスStarlinkであり、Starlink Broadbandが8700億ドル、Starlink Mobileが7400億ドルとそれぞれ計上されている。これらのサービスは、地球上のあらゆる場所での高速インターネットアクセスを提供することを目指しており、特に既存のインフラが不十分な地域において大きな需要が見込まれる。低軌道衛星を利用したこのブロードバンドインターネットサービスは、高速かつ低遅延の接続を可能にし、従来の地上インフラでは困難だった地域にもサービスを拡大できる強みを持つ。
そして、最も注目されるのがAI関連事業で、26.5兆ドルという圧倒的な市場規模が示されている。このAI分野はさらに細分化されており、AIインフラが2.4兆ドル、消費者向けサブスクリプションが7600億ドル、デジタル広告が6000億ドル、エンタープライズアプリケーションが22.7兆ドルとされている。特にエンタープライズアプリケーションの巨大な市場規模は、AIがビジネスプロセス全体に深く統合される未来を見据えたSpaceXの戦略を示唆している。これらの試算には中国とロシアは含まれていない。
Starlinkに関しては、アメリカン航空 (American Airlines) が2027年第1四半期から500機以上の狭胴機に導入すると発表した。これにより、機内Wi-Fiの高速化が図られる。Starlinkの技術は、1アンテナあたり最大1 Gbpsのマルチギガビット接続を航空機に提供可能であり、これにより乗客は飛行中でも地上のインターネット接続と同等の体験を得られると期待されている。航空業界における高速機内Wi-Fiの需要が高まる中、Starlinkの導入はアメリカン航空の顧客体験向上に大きく寄与すると見られている。
参考: Stratechery — 2026年5月27日 19:00 (JST)
原文ハイライト"SpaceX is seeking a $2 trillion valuation on a mere $18.67 billion in revenue"