Crunchbase Newsは9月14日(現地時間)に公開された記事で、スタートアップにおける創業時株式付与の標準的スキームが、しばしば「デッドウェイト」と称される企業負担と訴訟を引き起こしているとの見解を示した。グレラス・シャー法律事務所 (Grellas Shah LLP) のパートナー、デイビッド・シーゲル (David Siegel) 氏が寄稿し、現行のベスティング制度が創業者離脱後の株式問題を生み、多額の訴訟費用を招く実態を指摘。投資家の要求変化も加わり、企業ガバナンスと資金調達に影響を及ぼしている現状を詳述した。

シーゲル氏は、共同創業者 (co-founder) が自発的または非自発的に会社を去る際、会社の大規模かつ永続的な株式を保持し続ける状況を「純粋なデッドウェイト」と表現する。離脱した創業者が15%から20%もの株式を保持することが多く、これにより、残されたチームのモチベーション低下、将来の株式希薄化プール (dilution pools) の破壊、そして投票権や経営支配権に関する複雑な問題という3つの主要な課題が生じるとされる。

投資家の許容度も変化していると指摘されている。5年から10年前には離脱創業者が5%から20%の株式を保持することを許容していた投資家も、現在では2.5%以下に抑えるよう要求するケースが増加している。しかし、一般的な4年間のベスティング契約には、離脱した創業者から株式を回収するための明確な契約メカニズムが不足している。このため、企業はしばしば、離脱創業者に株式の放棄を迫り、それが失敗すると訴訟に発展する事例が頻発している。これらの訴訟は表向きは知的財産や機密保持を名目とすることが多いものの、実態は株式回収が目的であり、数十万ドル規模の費用が発生するとシーゲル氏は述べている。

この問題を解決するために、シーゲル氏は創業時の文書に新しい仕組みを組み込む必要があると提言している。具体的には、コントロールと投票権の修正として、創業者が離職した際に投票権を自動的に剥奪する、または現CEOへの議決権委任義務を組み込む方法、あるいは非議決権株式クラスを設ける方法を提案した。

経済的側面の修正はより困難な課題であるとしつつ、いくつかの構造的変更策を提示している。これには、ベスティング期間を5年または6年に延長し、初期の付与率を低くする後加重 (back-weighting) 方式の導入、事前に株式買い戻しに関する合意と時間経過による株式放棄メカニズムの導入、そして離職創業者の株式を議決権なし、経済的権利が劣位の別クラス株式へ自動転換するメカニズムの構築などが含まれる。

また、シーゲル氏は少数派の創業者に対して、株式回収を目的とした訴訟のリスクが最も高いため、事前の退職金合意、解雇理由の明確化、加速ベスティング保護を要求すべきであると助言している。共同創業者がこれらの交渉にどのように反応するかを観察することは、将来のリスクを軽減する上で重要な情報となると指摘する。

現在の4年間のベスティングと1年間のクリフというテンプレートは、ベンチャーキャピタル (VC)、残された創業者、そして離脱した創業者のいずれの要求も満たしておらず、企業をデッドウェイトで苦しめている。シーゲル氏は、創業時から弁護士を雇い、関係性を適切にカスタマイズし文書化することが、後々の多額の訴訟費用を回避するために重要であるとの見方を示している。


参考: Crunchbase News — 2026年9月14日 20:00 (JST)

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