Teslaは2026年8月6日(現地時間)、自動運転ソフトウェア「Full Self-Driving (FSD) (Supervised)」のバージョン14.3.7を公開した。このアップデートは、以前のバージョン14.3.6で報告されたブレーキの不安定性や駐車機能に関する回帰バグを修正した。また、強化学習(RL)トレーニングステージのアップグレードやニューラルネットワークビジョンエンコーダーの改善により、多様な運転シナリオでの性能向上が図られている。
FSD v14.3.7は、ファームウェアバージョン2026.21.5として一部のTesla オーナー向けに提供が開始された。TeslaFi.comおよびTessie.comのデータによると、このバージョンはHW4搭載Tesla車両フリートの1%未満にインストールされている。早期アクセスベータテスターからは肯定的なフィードバックが寄せられており、特に前バージョンで問題視されたブレーキの急作動(brake-stabbing)や不安定な動作は修正されたとされている。一方で、一部のテスターからは、高速道路の出口を見逃す問題がFSD v14.3.6と同様に発生したとの報告も上がっている。
公式リリースノートによると、FSD v14.3.7には複数の技術的改善が施されている。具体的には、FSDのニューラルネットワークトレーニングにおける強化学習 (Reinforcement Learning、RL) ステージがアップグレードされ、幅広い運転シナリオでの改善がもたらされた。また、ニューラルネットワークビジョンエンコーダーもアップグレードされ、稀なシナリオや低視認性状況における理解が向上し、3Dジオメトリ理解が強化され、交通標識認識が拡張された。AIコンパイラとランタイムはMLIR 2によってゼロから書き換えられ、反応時間は20%高速化し、モデルの反復速度も向上した。
このアップデートでは、不必要な車線バイアスや車間距離の詰めすぎといった動作が緩和された。駐車スペースの選択と操作における決断力が増し、駐車位置ピンの予測も改善され、マップ上に「P」アイコンで表示されるようになった。さらに、緊急車両やスクールバス、一時的なシステム劣化への対応も強化された。特に、Teslaフリートから収集されたhard RL examplesに基づくトレーニングにより、複合信号、湾曲路、黄色信号での停止を含む複雑な交差点における交通信号処理が向上している。Actually Smart Summonの最高速度は8mph (13km/h)に引き上げられた。
参考: teslaoracle.com — 2026年8月6日 17:26 (JST)
原文ハイライト"Rewrote the AI compiler and runtime from the ground up with MLIR 2"