OpenAIは2026年8月4日(現地時間)、開発中の次期モデル「Astra」に関する初期サイバーセキュリティ評価の結果を公開した。評価の結果、同社の「Preparedness Framework」に定める「Critical (危機的)」なサイバー能力の可能性を排除できないと判断したことを明らかにした。この能力はエージェント型コーディングとサイバーセキュリティにおける顕著な進歩を示すものとされている。
OpenAIが発表したところによると、Astraの内部評価および専門家による分析により、Preparedness Frameworkが定める閾値に到達したことが確認された。同フレームワークは2023年12月に策定され、モデルが生物学、化学、サイバーセキュリティ、AI自己改善の各分野で特定の能力レベルに達した場合の対応をガイドするものである。
「Critical」なサイバーセキュリティ能力とは、人間による介入なしに、堅牢な実世界の重要システムにおいてあらゆる深刻度のゼロデイエクスプロイトを特定・開発できるか、または高いレベルの目標のみが与えられた堅牢なターゲットに対するサイバー攻撃の新しい戦略を考案・実行できる状態を指す。同社のこれまでのモデルであるGPT-5.6-Solは、「High (高い)」の閾値と評価されていた。
OpenAIは、Astraが今後のモデルであり、Hugging Faceの悪用には関与していないと説明している。今回の評価結果を受け、同社は安全対策とセキュリティ制御の堅牢性テストを強化する措置を講じている。具体的には、より厳格なセキュリティ制御(隔離されたテスト環境、ネットワークとツールアクセス制限、モデルウェイト保護と暗号化、監視・検出機能強化、サンドボックス実行など)を実装する。
また、これらの強化されたセキュリティ要件を満たさないAstra関連の内部活動を一時停止した。さらに、Astraのエージェント型アプリケーションにおけるリスクの高い行動とミスアライメントに対する普遍的な監視システムを導入し、政府機関や特定のAI安全保障団体とも連携してモデルの能力テストを進める方針を示している。
参考: OpenAI Blog (アーカイブ) — 2026年8月5日 04:00 (JST)
原文ハイライト"we cannot rule out critical cyber capabilities under our Preparedness Framework"