Google Researchは7月22日(現地時間)、強化学習(RL)を量子誤り訂正(QEC)と統合することで、量子コンピューターがドリフトに適応し、長時間の計算中も安定性を維持できることを示したと発表した。自律エージェントがQECからの誤り検出データを活用し、数千の制御パラメーターを継続的に調整する。

現在の量子コンピューターは、アナログマシンとしての性質上、ドリフトに敏感であり、信頼性の高い運用には制御パラメーターの常時再較正が必要となる。これまでは計算全体を終了させてから較正が行われており、長期間連続稼働が求められる量子アルゴリズムにとってボトルネックとなっていた。

同社は、強化学習(RL)のフレームワークを導入し、自律エージェントが量子誤り検出イベントから学習することで、計算中に数千の制御パラメーターを動的に調整し、量子システムをドリフトに対して安定化させることに成功した。

このRL量子制御は、同社の超伝導プロセッサ上で検証された。制御パラメーターに意図的に人工的なドリフトを注入した実験では、RLによる制御が論理的な安定性を向上させ、プロセッサが信頼性の高い「量子メモリ」デバイスとして機能する時間を延長した。また、専門家による綿密な較正後も、RLによる微調整は論理誤り率をさらに抑制した。この実験により、量子メモリにおける論理誤りは、記録的な低水準に達した。

さらに、数値シミュレーションを実施し、RLトレーニングに必要な反復回数がシステムサイズに依存しないことを確認した。これにより、このアプローチが将来の大規模な量子コンピューターにも適用可能であることが示された。


参考: Google Research Blog (アーカイブ) — 2026年7月23日 03:40 (JST)

原文ハイライト

"Towards a quantum computer that learns from its errors"

この記事をシェア
X はてブ LinkedIn