Vercelは7月22日(現地時間)、開発者向けプラットフォーム「AI Gateway」において、ストリーミング転写機能のサポートを開始した。この新機能により、音声データがリアルタイムでキャプチャされ、即座に転写結果が更新されるため、ライブキャプションや音声入力といった、特に低遅延が要求されるアプリケーションでの利用が想定される。
これまで、音声ファイルの転写はデータ全体が揃ってから実行され、結果が一括で返される形式だった。今回の更新により、音声がストリームとしてAI Gatewayに入力されることで、基盤モデルが生成した転写結果が逐次提供される。
ストリーミング転写機能はベータ版として提供されており、AI SDKの streamTranscribe 関数を通じて、ストリーミングに対応した任意の転写モデルと連携できる。具体的な例として、生のPCMオーディオを openai/gpt-realtime-whisper へストリーミングし、転写の差分を出力するコード例が公開されている。この機能は xai/grok-stt など、他のストリーミング対応転写モデルでも同様に機能する。
エージェントに音声モードを追加する用途にも利用が可能である。ユーザーの音声を転写モデルにストリーミングし、そのテキストをエージェントに渡すことで、既存のテキストベースのエージェントでも音声入力に対応できる。双方向のリアルタイム会話を実現するには、音声生成機能との組み合わせも可能となる。
導入検討
AI Gatewayのストリーミング転写機能は、低遅延が求められるリアルタイム対話システムやライブイベントでの文字起こし機能の実装に有効である。既存の音声認識APIと比較する際、Vercelプラットフォームとの統合性、開発の容易さ、スケーラビリティが評価項目となる。
競合サービスとの比較
主要なクラウドプロバイダーが提供するストリーミング音声認識サービスと比較した場合、AI Gatewayは単一のインターフェースを通じて複数の基盤モデルを切り替えられる柔軟性を有する。特定のモデルへのロックインを回避し、将来的なモデル選択の幅を広げることに寄与すると考えられる。
応用シナリオ
本機能は、カスタマーサポートにおけるリアルタイムの通話内容分析、オンライン教育プラットフォームでのライブ字幕生成、ハンズフリー操作が求められるIoTデバイスへの音声コマンド入力など、幅広い応用シナリオが想定される。ユーザーインターフェースとしての音声の重要性が増す中、新たな体験創出への活用が見込まれる。
参考: Vercel Blog (アーカイブ) — 2026年7月22日 09:00 (JST)
原文ハイライト"AI Gateway now supports streaming transcription"