Vercelは7月20日(現地時間)、Vercel Workflowsにおいて、各実行の状態、キューディスパッチ、および出力ストリームを単一のホームリージョンに保持する機能の提供を開始しました。この新機能により、Workflowsの実行開始リージョン、または指定したターゲットリージョンでデータを運用することが可能となり、ユーザーに近い場所でのデータ処理と保管を実現します。これにより、データ主権に関する開発者のニーズに対応し、より効率的な運用を支援します。

この新機能により、Vercel Workflows上で構築されたエージェントは、そのライフタイムを通じて特定のホームリージョンを維持するようになります。例えば、シドニーのユーザーにサービスを提供するエージェントは、その実行をシドニーのリージョンで行い、進捗チェックポイントや出力ストリームもシドニーから実施されます。これにより、データがユーザーの物理的な近傍で処理・保管されるため、レイテンシーが改善され、ワークフロー全体のパフォーマンス向上が期待されます。

従来の分散システムでは、実行状態が複数のリージョンに分散したり、予測不能な場所に配置されたりすることが課題となる場合がありました。本機能は、実行状態の物理的な所在地を明確にすることで、開発者がデータの所在地をより細かく制御できるようになり、運用上のシンプルさを提供します。

Vercel Workflowsは、エッジインフラストラクチャの利点を活用し、ワークフロー実行のパフォーマンスと信頼性を高めてきました。今回の機能拡張は、その上でさらにデータ所在地の柔軟性を提供し、特定の地理的要件を持つアプリケーションやサービスにとって特に有用です。開発者は、ワークフローの初期化時にオプションとして特定のリージョンを指定するだけで、この恩恵を受けられます。

この機能を利用するには、Workflow SDKworkflow@5.0.0-beta.33以降のバージョンにアップデートする必要があります。特定のリージョンに実行を固定したい場合は、start()オプションにregionを指定して設定を行います。既存のワークフローについては、次回実行時からリージョン配置が自動的に適用されるため、コードの移行や変更は不要です。

万が一、指定したリージョンで障害が発生した場合、ワークフロートラフィックは最も近い代替リージョンにフェイルオーバーすると見られます。これにより、サービスの可用性を維持しつつ、データ所在地に関する要件も満たすことが可能となります。

本機能は、Karthik Kalyanaraman、Peter Wielander、およびBen Sabicによって貢献されました。彼らの尽力により、Vercel Workflowsのユーザーは、より高度な制御と柔軟性を手に入れることができます。


参考: Vercel Blog (アーカイブ) — 2026年7月20日 09:00 (JST)

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