Anthropicは7月15日(現地時間)、投資会社ブラックストーン (Blackstone) およびヘルマン&フリードマン (Hellman & Friedman)、金融機関ゴールドマン・サックス (Goldman Sachs) と共同で、AI実装に特化した新会社「Ode with Anthropic」の設立を発表した。同社は5月に設立されており、エンタープライズ顧客向けにAIエンジニアリングと運用サービスを提供する。15億ドル規模のこの共同事業は、ブラックストーンの構想に基づき、AIモデルの実装が次なる数兆ドル規模のビジネスを創出するとの認識から始動した。

この共同事業は、AIモデルの展開が、そのモデル自体の提供以上に重要であるというフロンティアAIラボ間の共通認識を背景としている。OpenAIも同様にAI実装を支援するThe Deployment Companyを立ち上げており、モデル提供者側が顧客のシステムへの統合までを支援する動きが顕著になっている。

Ode with Anthropicは、ブラックストーン (Blackstone) の構想により、AIエンジニアリングサービススタートアップのフラクショナルAI (Fractional AI) を買収して設立された。フラクショナルAIはOpenAIとの11ヶ月間の提携を終えたばかりだった。Ode with Anthropicのクリス・テイラー (Chris Taylor) CEOは、適切に実行されれば将来的に数兆ドル規模の企業に成長する可能性に言及している。同社は現在100人のエンジニアを擁し、Anthropicの応用AIチームと密接に連携しながら、各組織の業務に最適化されたシステム構築を進めている。

Ode with Anthropicは「Claude-first」原則を採用し、Anthropicの技術を優先的に実装する。しかし、顧客の具体的なニーズに応じて競合他社のAI製品も柔軟に利用する方針を示している。Ode with Anthropicのエディ・シーゲル (Eddie Siegel) CTOは、実装の品質とビジネス課題に対するカスタムソリューション構築能力が同社の強みであると強調する。幹部陣はチームをエリートなゼネラリストソフトウェアエンジニア集団と位置付け、半数以上が元創業者である点を特徴としている。

Ode with Anthropicは、OpenAIのThe Deployment Companyに加え、デロイト (Deloitte) やアクセンチュア (Accenture) のような大手コンサルティングファームのFDE(forward-deployed engineers)チームと競合する。AI導入を検討する企業にとっては、特定のAIモデルに依存せず、自社の既存システムや事業課題に最も適した技術を柔軟に提案・実装できるかの見極めが重要となる。また、AI特化型ベンダーであるOde with Anthropicが提供する技術的専門性と、大手コンサルが提供する幅広いビジネス変革コンサルティングとのバランスを比較検討する視点も生まれる。


参考: techcrunch.com — 2026年7月15日 22:10 (JST)

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