タペストリーVC (Tapestry VC) は7月1日(現地時間)、8,000万ドル規模の3号ファンドをクローズしたと発表した。同ファンドは、欧州の複数回の起業経験を持つ創業者、いわゆる「リピート起業家」への投資を強化する方針だ。これまでにリピート起業家が欧州全体で2兆ドルを超える企業価値を生み出してきたことに着目し、AI関連企業のイグジット(売却や上場)が新たな経験豊富な起業家を創出すると予測している。
共同創業者兼マネージングパートナーのパトリック・マーフィー (Patrick Murphy) 氏は、クランチベース・ニュース (Crunchbase News) のインタビューに対し、欧州でリピート起業家の「スーパーサイクル」が始まっているとの見方を示した。マーフィー氏は最近、サンフランシスコ (San Francisco) からロンドン (London) に拠点を移しており、タペストリーVCもロンドンに新たな旗艦オフィスを開設している。マーフィー氏によると、リピート起業家は単に経験だけでなく、広範な人脈や人材を迅速に確保する能力も兼ね備えているという。
タペストリーVCは、この新たなファンドから、以前のファンドと同程度の約30社にプレシードまたはシード段階で投資する計画だ。これまでのファンドでは約100万ドルのチェックサイズだったが、新ファンドでは100万ドルから300万ドルへと引き上げられる。同社は起業家が次の事業を決定する前段階から時間を共にし、アイデア出しやブレインストーミングを行う。マーフィー氏は、自身らはインキュベーターでもアクセラレーターでもない、と述べた。
過去の投資先には、スマートフォン・イヤホン開発のナッシング (Nothing) や、最近Salesforceに36億ドルで買収されたAIカスタマーサービススタートアップのFin AIなどがある。その他、ドローン配送スタートアップのマンナ・エア・デリバリー (Manna Air Delivery) や、製造業の自動化に取り組むサンライズ・ロボティクス (Sunrise Robotics) も含まれる。また、AIセキュリティ分野にも注力しており、トレースビット (Tracebit)、メイズ (Maze)、キーカード (Keycard) への投資も行っている。
今回のファンドの新たな投資家には、ソブリン投資家のブリティッシュ・ビジネス・バンク (British Business Bank) や、年金基金のレイルペン (Railpen)、ファンド・オブ・ファンズのモルテン・ベンチャーズ (Molten Ventures) が名を連ねる。OpenAIのCFOであるサラ・フライアー (Sarah Friar) 氏も本ファンドの投資家の一人である。マーフィー氏は、活気あるブティックシード環境を奨励することは、創造的で新しい人々が興味深く、異なる、そして奇妙なビジネスを始める上で非常に重要だと考えていると語った。
参考: Crunchbase News — 2026年7月1日 16:01 (JST)
原文ハイライト"Tapestry VC has closed an $80 million third fund to double down on"