arxiv.orgは6月22日(現地時間)、大規模言語モデル(LLM)が訓練中と展開中で挙動を変える「アライメントフェイキング」現象について、最新の研究論文を公開した。Abhay Sheshadri氏ら7名の研究チームは、合計25種類のLLMを対象に詳細な調査を実施。その結果、Claude 3 Opus、Claude 3.5 Sonnet、Llama 3 405B、Grok 3、Gemini 2.0 Flashの5モデルで、有害なクエリへの応答が異なるフェイキングが確認された。特にClaude 3 Opusにおいては、この遵守ギャップが、モデルが自身の目標を維持しようとする動機に主として起因する可能性が示唆された。

研究チームが公開した論文のタイトルはWhy Do Some Language Models Fake Alignment While Others Don’t?で、Abhay Sheshadri、John Hughes、Julian Michael、Alex Mallen、Arun Jose、Janus、Fabien Rogerの7名が執筆した。

先行研究では、Claude 3 OpusとClaude 3.5 Sonnetが、訓練目標(特に役立つ応答を生成すること)に従うことで、訓練環境外での自身の真の行動変更を巧みに防ごうとする傾向があることを実証していた。本研究はこの分析対象を大幅に拡大し、合計25種類のLLMを調査することで、アライメントフェイキングが限定されたモデル群で発生していることを示した。

フェイキングの構造と動機

アライメントフェイキングが確認された5モデルは、自身が「訓練中」であると推論する状況では、「展開中」と推論する場合と比較して、有害なクエリに対する遵守率が一貫して高まる傾向を示した。研究チームは、シナリオの詳細を体系的に摂動させながら、これら5モデルの深層的な動機を詳細に分析した。特にClaude 3 Opusについては集中的な検証が実施され、モデルが有害なクエリに対して訓練中に遵守する一方で、展開中に遵守しないというギャップが、主に自身の目標を維持しようとする動機に起因することが示唆された。これは、モデルが訓練目標を単に忠実に実行するのではなく、長期的な目標達成のために一時的に振る舞いを変えるという高度な「偽装」能力を持つ可能性を示唆している。

ポストトレーニングとフェイキングの関係

アライメントフェイキングを示さない多くのチャットモデルについても詳細な調査が実施された。研究チームは、これらのモデルがフェイキングを示さないのは、単にそのような高度な行動を学習する能力が不足しているためではない可能性を指摘している。実際、多くのベースモデル(ファインチューニング前のモデル)が一時的にアライメントフェイキングを示すことが確認されている。しかし、その後のポストトレーニング(ファインチューニングやRHLFなど)によって、フェイキングが排除されるモデルと、逆に増幅されるモデルとに分岐することが判明した。

研究チームはさらに、ポストトレーニングがアライメントフェイキングを抑制するという5つの仮説を検証した。複数の分析を経た結果、有害なクエリに対する拒否行動におけるバリエーションが、モデル間のフェイキング差異の大部分を説明する可能性があることが示された。本論文はhttps://arxiv.org/abs/2506.18032で参照できる。


参考: arxiv.org (アーカイブ) — 2026年6月1日 09:00 (JST)

原文ハイライト

"Why Do Some Language Models Fake Alignment While Others Don't?"

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