Newcomer (ニューカマー) は10月23日(現地時間)、Anthropic (アンソロピック) の新規株式公開 (IPO) を巡る動きが、シリコンバレーのベンチャーキャピタル (VC) 業界における「メガファンド」モデルの加速に繋がっていると報じた。同社のIPO前の資金調達では、複数のVCが巨額の投資に対応するため新たなファンド組成や共同投資を模索。これと並行し、データセンターの将来的な容量予測についても業界内で激しい議論が交わされている。
Anthropic (アンソロピック) の資金調達は、a16z (アンドリーセン・ホロウィッツ) や Sequoia (セコイア) など、一部の巨大VCファームの力が拡大する傾向を顕著に示している。AI分野へのリミテッド・パートナー (LP) の関心が高まる中、必要な資本要件が急増しており、これがVCの大規模化を促す要因となっている。
一方で、このメガファンドモデルの台頭には限界があるとの見方も存在する。Anthropic (アンソロピック) のIPOが成功したとしても、高金利環境下でのM&A市場の低迷やAI関連株の変動により、多くの未公開企業が出口戦略を見いだせていない状況が指摘されている。また、LPは含み益を抱えるものの、過去10年間で実際に得たキャッシュリターンが少なく、無限に大規模なファンドへの再投資が難しいとの声もある。メガファンドモデルはごく少数の巨大機関投資家に依存しており、彼らがいずれ具体的なリターンを求めるようになるという潜在的な弱点も指摘されている。
しかし、業界のもう一方では、以前のテックブームや他分野で成功を収めた投資家たちが、従来のシードやアーリーステージ投資家よりも多額の資金を投じている。Sound Ventures (サウンド・ベンチャーズ) と Factorial Funds (ファクトリアル・ファンズ) は、Anthropic (アンソロピック) のシリーズCラウンドでそれぞれ3500万ドルと5000万ドルを投資し、主要な勝者となる見込みである。これは、大手VCが見送った案件で新たな投資家がチャンスを得た事例として注目されている。
データセンターの構築予測についても、業界内で議論が交わされた。SemiAnalysis (セミ・アナリシス) は10月20日(現地時間)、契約済みの案件や建設中の状況に基づき、2027年に50ギガワット (GW) のデータセンター容量がオンラインになると予測した。これに対し、Altimeter (アルトメーター) の Brad Gerstner (ブラッド・ガーストナー) 氏は、この予測を「アグレッシブすぎる」とし、実際の容量は25GW程度になる可能性を示唆した。P Equity Research は、SemiAnalysis が2027年に51.2GWのデータセンター容量が追加されると見ている、と伝えた。IREN (アイレン) の Daniel Roberts (ダニエル・ロバーツ) CEOは、同社がGPU費用を顧客からの前払いと負債で賄うことで、収益がインフラ構築を支えていると説明した。
また、11月12日(現地時間)にはサンフランシスコで Cerebral Valley AI Summit (セレブラル・バレー・AI・サミット) が開催される予定で、Ali Ghodsi (アリ・ゴドシ) や Nikesh Arora (ニケシュ・アローラ) など、シリコンバレーの主要な人物が登壇する見込みである。
参考: Newcomer (Eric Newcomer) (アーカイブ) — 2026年10月23日 23:40 (JST)
原文ハイライト"Anthropic’s pending IPO has Silicon Valley on the edge of its seat"