マイクロソフトリサーチ (Microsoft Research) は2026年8月20日(現地時間)、深層学習を用いた交換相関汎関数「Skala 1.1 (スカラ1.1)」を発表した。前バージョン比2.5倍のデータでトレーニングされており、熱化学や分子構造予測といった分子シミュレーションの主要課題において、精度を大幅に向上させている。Skala 1.1はCP2Kで利用が可能となり、主要な計算化学ソフトウェアへの統合も進められている。

Skala 1.1は、マイクロソフトリサーチ (Microsoft Research) が推進する深層学習DFT (Deep Learning Density Functional Theory) アプローチの継続的改善を示す。前バージョンの2.5倍のデータでトレーニングされており、熱化学、反応速度論、分子構造予測を含む主要な分子シミュレーション課題において、大幅な精度向上が確認された。広く利用されているGMTKN55ベンチマークの55カテゴリ中32カテゴリで最上位を獲得し、meta-GGA汎関数の計算コストで、最高かつ最も高価なグローバルハイブリッド汎関数を上回る性能を発揮するという。

精度向上に加え、Skala (スカラ) は計算化学エコシステム全体での利用拡大を目指している。現在、CP2Kで利用可能であり、Psi4、FHI-aims、ORCA、VASPといった主要な計算化学ソフトウェアへの統合も進められている。これらの取り組みにより、次世代のDFT精度を、日常的にこれらのコードに依存するコミュニティに提供することを目指している。また、Skala 1.1の機能向上は、Microsoft Research Accurate Chemistry Collection (MSR-ACC) の大幅な拡張によって実現された。

マイクロソフトリサーチは、連続的に最適化されるSkalaリリースの計算性能を追跡する「リビングベンチマーク」も導入した。このリソースは、ソフトウェアパッケージやハードウェアプラットフォーム全体の実装について透明で継続的に更新される参照を提供することで、コミュニティがより高い精度と効率性への進歩を測定し加速させるのに役立つと見られる。


参考: Microsoft Research Blog — 2026年8月21日 01:00 (JST)

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