Dell Technologies CapitalのDaniel Docter氏は7月21日(現地時間)、AIがSaaSビジネスモデルを変革しつつも、SaaS自体は消滅しないとの見解をCrunchbase Newsに示した。Docter氏は、AIがソフトウェアの構築、消費、価格設定の方法を変える可能性、特にシートごとの価格モデルから消費量や成果に基づくモデルへの移行を予測。AIスタートアップの成功は、その技術を市場に適切に流通させる能力が最終的に左右する可能性も強調した。同氏は、ディープテック投資における同社の戦略にも言及した。

Dell Technologies CapitalのDaniel Docter氏は電気工学とコンピューターサイエンスの学位に加え博士号を持ち、技術をビジネスおよび商業用途に転換する分野でキャリアを積んだ。Palo Alto, Californiaに拠点を置くDell Technologies Capitalの投資チーム全体も、電気工学、コンピューター工学、コンピューターサイエンス、データサイエンスといった分野の学位を持ち、多くは大企業とスタートアップの両方での経験を有している。

Dell Technologies Capitalは、この技術的知見に基づき、深い技術を持つ創業者と初期段階の企業への投資に注力している。シードおよびシリーズAの企業を評価する際、チームは技術の潜在的な影響、解決する問題、破壊力、および機能性を重視し、従来の財務指標よりも優先して考慮するとされる。同社は、市場がまだ完全に準備できていない革新的な技術を持つスタートアップに対し、その技術が将来の市場でどのように受け入れられ、スケールするかを初期段階から見極める視点を持つという。2012年の設立以来、同社はエンタープライズスタック全体に18億ドルを投資しており、2025年末までに6件の著名なイグジットがあったとされている。

Docter氏は、AIがSaaSの世界に影響を与えていることは確かだと指摘する。AIはソフトウェアの構築方法や消費方法を変え、さらに重要なことに価格設定を変える可能性があると述べた。同氏は、シートごとの価格モデルは時代遅れになり、消費量や成果に基づく価格設定に移行すると見ている。しかし、この変化によってすべてのSaaS企業が消滅するとは考えていない。SaaSビジネスモデルは、顧客との継続的な関係性や、特定のニーズに対応するソリューション提供において依然として本質的な価値を持つとされている。

AIスタートアップの成功要因について、Docter氏は流通能力の重要性を強調している。どんなに優れたAI技術や製品であっても、それが実際に顧客に届き、利用され、価値を生み出さなければ成功には繋がらない。特にニッチなディープテック分野では、技術先行になりがちだが、製品化、市場開拓、そして最終顧客への導入といった流通戦略が、技術的優位性と同じくらい重要であると指摘した。


参考: Crunchbase News — 2026年7月21日 20:00 (JST)

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