Microsoft(マイクロソフト)は2026年6月2日(現地時間)に開催された年次開発者会議「Build 2026」で、独自の基盤モデルファミリー「MAI」を発表した。この発表には、GitHub Copilot(ギットハブ コパイロット)向けのコーディングモデル、音声テキスト変換モデル「MAI-Transcribe-1」、音声合成モデル「MAI-Voice-1」、画像生成モデル「MAI-Image-2」が含まれる。これらのMAIモデルは、これまでOpenAI(オープンAI)のモデルに依存していた主要な開発者向け製品において、Microsoft自身のモデルが利用されることを意味し、同社の戦略的転換を示すものだ。

MAIモデルファミリーは、Microsoft(マイクロソフト)が少なくとも2024年から社内で開発を進めてきたポートフォリオであり、過去1年間で開発が加速した。これは、OpenAI(オープンAI)とのパートナーシップにおける価格設定、モデルアクセス時期、第三者クラウド競合への特定モデル機能展開に関する制約といった側面への不満が背景にあるとされる。

コーディングモデルは「MAI-Code-1」などの名称になると予想されており、社内ベンチマークではソフトウェアエンジニアリングタスクにおいてAnthropic(アンソロピック)のClaude 3.7 Sonnet(クロード3.7 ソネット)と同等以上の性能を発揮し、推論コストは大幅に低い。このモデルはOpenAI APIへの呼び出しなしでMicrosoftのAzure(アジュール)インフラ上で動作するよう設計されており、GitHub Copilot(ギットハブ コパイロット)のエンタープライズ規模でのコスト構造を改善すると見られる。MAI-Transcribe-1はTeams(チームズ)のリアルタイム文字起こし、Copilot(コパイロット)の会議要約、Azure AI Speech(アジュールAIスピーチ)の改善に貢献する。MAI-Voice-1とMAI-Image-2はそれぞれ音声合成と画像生成機能を提供する。

この発表は、Microsoftが主要製品の基盤となるモデル群を自身で制御しようとする戦略的な方向性を示す。GitHub Copilotの3000万人を超えるアクティブユーザーにおける推論費用は年間数十億ドルに上り、MAIモデルへの移行によりCopilotの利益率が向上すると期待される。また、Microsoftはクラウドインフラ(Azure)、開発者ツール(GitHub(ギットハブ)、VS Code(ブイエス コード))、生産性ソフトウェア(Microsoft 365 Copilot(マイクロソフト365 コパイロット))、OSの機能(Copilot Runtime(コパイロット ランタイム) in Windows 11(ウィンドウズ11))、そして基盤モデル(MAI)を統合した「フルスタック」の能力を構築している。

Build 2026では、GitHub Copilotにおけるエージェント的コーディングワークフローの強化、GitHub Actions(ギットハブ アクションズ)、Azure DevOps(アジュール デブオプス)、Azure AI Foundry(アジュールAIファウンドリ)プラットフォームの連携深化、Windows Local AI(ウィンドウズ ローカルAI)、Copilot Runtimeの拡張なども発表される。特にCopilot RuntimeはQualcomm(クアルコム)のSnapdragon X Elite(スナップドラゴン エックス エリート)およびIntel(インテル)のMeteor Lake(メテオ レイク)プロセッサに最適化された小規模言語モデル機能を拡張する。Azure AI Foundryは、MAIモデルとOpenAI、Anthropic、Meta(メタ)のモデル、およびオープンウェイトモデルを組み合わせるためのエンタープライズグレードのオーケストレーションレイヤーとして位置付けられる。

MicrosoftのSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏はMAI戦略をOpenAIとのパートナーシップに対し「補完的」と説明している。しかし、MicrosoftによるOpenAI関連ライセンスのキャンセルやMAIモデルファミリーの立ち上げは、累計130億ドルを超える投資を経て、単一の外部ベンダーへの恒久的な依存が3兆ドル規模の企業にとって持続可能な長期戦略ではないと結論付けたことを示唆している。


参考: faq.com.tw (アーカイブ) — 2026年6月1日 09:00 (JST)

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