Hugging Face Blogが2026年5月10日(現地時間)付けで報じたところによると、lablab.aiとAMD Developer Hackathonで構築されたMachinaCheckが、AMD Instinct MI300Xを活用したマルチエージェントAIシステムを発表した。このシステムは、CNC機械加工における部品の製造可能性分析を効率化し、手作業による時間とエラーを削減する。機密性の高い顧客データのオンプレミス処理を実現し、データ漏洩のリスクなしに製造プロセスを支援する。
MachinaCheckは、顧客から提供される標準CADフォーマットであるSTEPファイルを基に、材料タイプ、要求される公差、ねじ仕様を入力することで、製造可能性に関する詳細なレポートを30秒で生成する。
従来のCNC機械加工工場では、図面の手動読み取り、工具在庫の確認、機械の公差能力の推定といった作業に30~60分を要し、週に10~20件の引き合いに対応する管理者にとって、週5~20時間の分析時間を要していた。また、途中で工具の不足や公差の不適合が判明し、部品の廃棄や機械時間の損失、顧客の不満につながることもあったという。MachinaCheckはこれらの課題を解消することを目指している。
システムの基盤としてAMD Instinct MI300Xが採用された。このGPUは192GBのHBM3 VRAMと5.3 TB/sのメモリ帯域幅を備え、Qwen 2.5 7B Instructモデルを完全にオンプレミスで実行できる。これにより、顧客の機密データであるSTEPファイルが外部の商用APIエンドポイントに送信されることなく、工場インフラ内で処理されるため、知的財産保護とデータプライバシーが確保される。
MachinaCheckはLangChainとFastAPIで構築された5つのコンポーネントからなるパイプラインを採用している。STEPファイルパーサーはcadquery(OpenCASCADE上に構築されたPythonライブラリ)を使用して幾何学的特徴を正確に抽出する。エージェントは、Qwen 2.5 7Bモデルを搭載したOperations ClassifierとFeasibility Decision Agent、および純粋なPythonで構築されたTool MatcherとReport Generatorで構成される。
実証テストでは、50特徴までの部品で特徴抽出が1秒未満、全パイプラインで25~40秒の処理時間を記録した。製造可能性評価の判断精度は全テスト部品で正しく、STEP幾何学的データは外部に一切送信されなかった。AMD MI300Xの192GB VRAMは、Qwen 2.5 72Bのようなより大規模なモデルにも対応可能であり、将来的にさらなる推論品質の向上が期待される。
参考: Hugging Face Blog (アーカイブ) — 2026年5月11日 03:44 (JST)
原文ハイライト"The AMD Instinct MI300X changes this equation completely. With 192GB of HBM3 VRAM"