Google DeepMindは2026年6月11日(現地時間)、Schmidt Sciences、Cooperative AI Foundation、Advanced Research and Invention Agency (ARIA) と共同で、世界中の研究者を対象とした新たな技術研究資金提供の募集を開始しました。Google.orgの支援を受け、最大1000万ドルが提供されます。この資金提供は、多数のAIエージェントが相互作用する未来に向けた安全性の強化を目的としています。
過去10年間、個々のAIモデルの能力向上、有用性、安全性に焦点が当てられてきました。しかし、AI技術の規模拡大に伴い、異なる組織によって構築された数百万のAIエージェントがデジタル環境で相互に通信、交渉、取引を行う時代が到来すると見られています。これらのシステムが安全かつ予測可能に相互作用することが不可欠であり、この変化はAIエコシステム全体の安全性と安定性を初期段階から強化する重要な機会を生み出すとされています。
今回の資金提供募集は、大規模なマルチエージェントAIシステムがグループとしてどのように振る舞うか、また潜在的なリスクを理解し軽減するためのフレームワークをどのように提供できるかの研究に重点を置いています。これにより、独立したシステムが異なるネットワーク間で相互作用する際に生じる「見えない」安全リスクを解決することを目指します。大規模なAIエージェント集団が相互作用する際に、新たな集団的振る舞いや能力が突然出現する可能性があり、これらを予測、測定、監視するためのツールが不足している現状が背景にあります。
例えば、エージェント間の相互作用が予測不能な経済活動の急増や新たなセキュリティ課題を引き起こす可能性も指摘されています。このようなシステム全体の振る舞いを管理する方法を理解することが、この研究の核心的な目的です。既存のマルチエージェント安全性に関する基礎的フレームワークは存在するものの、これらのシステムの急速な進化に対応するためには、大規模な研究拡大が喫緊の課題と認識されています。
本プログラムでは、学術研究者および独立研究者からの提案を、以下の4つの優先分野で募集しています。
- Sandboxes and testbeds: 現実的で再現可能な評価環境の構築。
- The science of agent networks: 相互作用するエージェント集団の安全性関連特性の理解。
- Strengthening agent infrastructure: クロスプラットフォームエージェント間相互作用のプロトコル強化。
- Oversight and control: 展開されたエージェント集団の監視と集団的損害の軽減方法の開発。
応募締め切りは2026年8月8日であり、受賞者は2026年秋に発表される予定です。
参考: DeepMind Blog — 2026年6月11日 21:00 (JST)
原文ハイライト"a new technical research funding call of up to $10M for researchers worldwide"