ChinaTalkが2026年6月2日(現地時間)付けで報じたところによると、ローマ教皇レオ14世は2026年5月25日、初の回勅『Magnifica humanitas』を発表した。同回勅は「人工知能の時代における人間の保護」を主題としており、教皇フランシスコ時代からカトリック教会が取り組んできたAIに関する初の公式文書となる。レオ14世は、産業革命について述べた先代教皇レオ13世の回勅『Rerum novarum』にちなんで自身の名前を選んだとされ、迫り来るAI革命に対して同等の真剣さで臨む姿勢を示している。
この回勅の発表は、ソーシャルプラットフォームX上で様々な議論を巻き起こした。特にサンフランシスコのテック業界の一部では、Anthropicの共同創業者Chris Olah氏が回勅の発表会に出席し、教皇の隣で発言したことが注目を集めた。
Olah氏の出席について、一部では教会がAnthropicやその「doomerism」に影響された、あるいは提携したとの見方もあったが、記事はこれを否定している。むしろAnthropicは、AIの実際の仕組みや技術的な背景を教会に伝える助言的な役割を担ったと見られている。
教皇の言葉は、世界の人口の18%が認める宗教的権威として重要性を持つ。特にグローバルサウスにおいて、カトリック教徒の約4分の3を占める地域では、教皇が道徳的権威を担う。AIが世界的な技術となる中で、その発言は注目される。
190ページにわたる回勅は、技術開発の目的と社会への応用に関して、主に3つの意見に集約されると指摘されている。最も重要な枠組みとして、人間中心主義 (anthropocentric view) が挙げられ、良い技術の基準は効率や生産性ではなく、人間の尊厳と充足を促進することであると定義されている。
労働に関する同回勅のメッセージは、1891年に発表されたレオ13世の回勅『Rerum novarum』の教えを直接継承している。『Rerum novarum』は、富の分配や社会正義についてカトリック教会の立場を再確立し、個人の財産と階級の区別を肯定しつつ、人間の価値が賃金に結びつかないことや労働者の権利と尊厳を尊重することの重要性を強調した。
レオ13世は金儲けの単なる道具として人間を利用する貪欲な人々の残酷さから、不幸な労働者を救うことが何よりも重要と記している。『Magnifica humanitas』は、レオ13世の教えを直接引き継ぎ、人間の労働は、金融や生産性にのみ焦点を当てた考え方よりも優先されるべきであると述べている。レオ14世は労働を経済的投入や生産性だけでなく、「人間にとっての根本的な善」と捉え、完全な自動化は幻想であり、労働は人々が社会に参加し、尊厳を表現・向上させる「人間にとっての要件」であると主張している。
参考: ChinaTalk (Jordan Schneider) — 2026年6月2日 18:55 (JST)
原文ハイライト"safeguarding the human person in the time of artificial intelligence."