OpenAIは5月29日(現地時間)、企業向け「ChatGPT Enterprise」および教育機関向け「ChatGPT Edu」プランの機能更新を発表した。Windows環境でのComputer Use機能やマイクロソフト・チームズ (Microsoft Teams) との連携強化は、既存の業務フローへの人工知能 (AI) 統合を一層深化させる。これらの機能拡充は、Microsoft Copilotなどの競合製品がひしめくエンタープライズAI市場において、OpenAIがAIエージェント基盤の優位性を確立し、競争力を強化する戦略的な一手とみられる。
OpenAIは5月、企業および教育機関向けChatGPTの機能群を大幅に拡充し、業務効率化と人工知能エージェントの適用範囲拡大を目指すと発表した。
デスクトップ環境でのAI統合を深化 5月29日(現地時間)の更新では、CodexアプリがWindows環境でのComputer Useをサポートした。これにより、ユーザーはCodexに対しWindowsアプリケーション内での操作を許可できるようになり、自動化の可能性が飛躍的に高まる。加えて、リモートコントロール機能も追加され、iOSまたはAndroid版ChatGPTアプリ、あるいはMac版CodexアプリからWindowsワークフローを継続することが可能となった。これらの機能は、ユーザーの生産性を向上させ、Microsoft Copilotのような競合製品が提供するデスクトップAIアシスタンス機能に対抗するOpenAIの戦略的な一手と位置づけられる。なお、Computer Useとリモートコントロール機能は、Enterpriseユーザーに対してはデフォルトで無効となっている。
AIエージェントの推論能力と連携強化 5月28日(現地時間)には、ChatGPTワークスペースエージェント向けの新機能が展開された。エージェントはGPT-5.5をサポートし、推論処理の強さを設定できるreasoning effort機能が追加されたことで、より複雑なタスクへの対応力が向上した。さらに、役割ベースの公開権限、ガイド付きエージェント設定、音声出力、およびSlackスレッドでの返信機能の改善も図られている。これに加え、ギットハブ・エンタープライズ (GitHub Enterprise)、Snowflake、データブリックス (Databricks) 向けのアプリテンプレートも導入され、主要な企業システムとの連携を強化することで、エージェントの適用範囲を広げている。これは、OpenAIがエンタープライズ市場におけるAIエージェント基盤としての地位を確固たるものにしようとする意図があるとみられる。
既存コラボレーションツールとのシームレスな統合 5月15日(現地時間)には、管理者管理同期機能付きのマイクロソフト・チームズ (Microsoft Teams) アプリが、対象となるChatGPT EnterpriseおよびEduワークスペースで利用可能となった。この連携により、ワークスペースオーナーおよび管理者はMicrosoft Teamsを一度接続するだけで、ChatGPTがサポートするTeamsメッセージや会話メタデータを参照できるようになる。これにより、Microsoftのオフィススイートとの深い統合を求める企業に対し、ChatGPTをCopilotの代替または補完として提供し、Google Workspace AIなどとの競争で優位に立つ狙いがあるとみられる。5月21日(現地時間)の更新では、Codexに目標モードやブラウザ使用の改善、リモートロック使用、管理者向け分析機能が追加された。ワークスペースエージェントは、ChatGPT Business、Enterprise、およびEduプランで一般提供が開始されており、無料期間は7月6日まで延長された。
参考: help.openai.com — 2026年6月1日 09:00 (JST)