Vercelは2026年5月28日(現地時間)、オーストラリアの電力配給会社Endeavour Energyが同社のプラットフォームとNext.jsを利用してリアルタイム停電マップを再構築した事例を発表した。Endeavour EnergyはNew South Walesで280万人以上に電力を供給する最大規模の電力配給業者の一つであり、今回の再構築により、ピーク時のページ読み込み時間は1秒未満となり、データ同期サイクルは5分に短縮された。旧プラットフォームと比較してデプロイは38%高速化されたという。
以前のEndeavour Energyの停電マップは、オーストラリアのNew South Walesを襲う嵐の際、トラフィックの急増に対応できず、性能がボトルネックとなっていた。リアルタイム更新には手動での調整が必要で、負荷がかかると信頼性が低く、デプロイも遅く、スケーリングが困難だった。データ更新サイクルは10分を要するはずが、時には1時間以上に及ぶこともあった。
新システムでは、Endeavour EnergyのエンジニアリングチームはVercel上でヘッドレス構成を選択した。フロントエンドはSitecoreからNext.jsに移行され、Vercel上でサーバーサイドレンダリング、静的生成、エッジ配信を行う。リアルタイムデータ層はSupabaseが管理し、停電および資産データをAPIを通じて提供する。既存のSitecoreはコンテンツ管理プラットフォームとして維持され、編集ワークフローとページコンテンツを処理する。この構成により、各レイヤーは独立してスケーリング、デプロイ、更新が可能になった。
Vercel Cron Jobsを利用することで、上流の停電システムからSupabaseへのデータ同期は5分ごとに行われる。スケジュールされたジョブはVercel Functionsとして実行され、最新の停電状況、影響エリア、復旧予定時刻を取得する。フロントエンドはSupabaseからほぼリアルタイムでデータを読み取る。これにより、以前は負荷時に45分まで伸びていたリフレッシュサイクルが、ピークトラフィック時でも5分以内に完了するようになった。
移行はサービスを停止することなく、段階的に実施された。VercelのソリューションパートナーであるGammaが停電マップの再構築とVercelへの移行を支援した。プレビューデプロイメントにより、エンジニアリングから運用までの複数のチームが、公開前に各ビルドを確認できるようになり、サインオフにかかる時間が短縮された。Vercelのパイプライン上でのデプロイは40%高速化された。
参考: Vercel Blog (アーカイブ) — 2026年5月28日 23:00 (JST)
原文ハイライト"Our outage map is the single most important thing on our website during a storm."