SpaceXは2026年5月20日(現地時間)、AI研究開発企業アンソロピック PBC (Anthropic PBC) とクラウドサービス契約を締結した。SpaceXは自社のAIアプリケーション向け計算資源を利用しつつ、余剰の計算能力を第三者顧客に提供しており、今回の契約はその一環となる。契約に基づき、アンソロピックは2029年5月までSpaceXに対し、月額12.5億ドルを支払うことで合意した。
SpaceXは、現在「COLOSSUS II」で訓練中の独自AIアプリケーション「Grok 5」など、自社開発のAIアプリケーション群を支援するため、大規模な計算資源を運用している。この豊富な計算能力の一部は、厳選された第三者顧客に対しても提供されており、新たな収益源の一つとなっている。
アンソロピック PBCとの今回の契約は、SpaceXが保有する「COLOSSUS」および「COLOSSUS II」の全体にわたる計算能力へのアクセスを供与する。契約条件では、サービス開始初期段階として2026年5月と6月には、容量が段階的に増加する期間として減額された料金が適用されることが明記された。これは、顧客が徐々に利用を拡大し、システムへの適応期間を確保するための措置と考えられる。
同契約は、いずれかの当事者が90日前の事前通知を行うことで、いつでも解除できる条項を含んでいる。これは、AI技術の急速な進化や市場環境の変化に柔軟に対応できるよう、両社に一定の自由度を持たせるための取り決めとみられる。
SpaceXが提供する計算資源は、最先端のAIモデルの訓練や推論に不可欠な高性能インフラで構成されている。特に、Grok 5のような大規模言語モデルの開発には膨大な計算能力が要求され、SpaceXはこの分野での技術的優位性を活用し、外部企業へのサービス提供を通じて収益化を図っている。アンソロピック PBCは、革新的なAIモデルの開発で知られており、この契約によって必要な計算資源を確保し、研究開発をさらに加速させる意向を示す。両社の提携は、AI産業におけるインフラ提供と利用の新たなビジネスモデルを示す事例となる。
参考: Simon Willison’s Weblog — 2026年5月21日 07:26 (JST)