Microsoftは2026年10月21日(現地時間)、長年未解決だった数学の難問「Kannan–Lovász–Simonovits (KLS) 予想」を解決したと発表した。同社の研究者と協力者が、新しい数学的概念と人間主導のAIを組み合わせることで証明を完成させた。KLS予想は高次元幾何学における中心的な問いであり、統計学、最適化、アルゴリズム、コンピューターサイエンスに広範な影響を及ぼす。
KLS予想は1995年に提唱された、高次元空間における計算の困難さに関する基本的な問いである。広範な高次元確率分布において、最適な平面または超平面による切断が、任意の形状による最適な切断とほぼ同等に効果的であるかを示すもので、その証明は31年間未達成だった。Microsoft ResearchのMachine Learning and Optimizationグループに所属するXinzhi Zhang氏ら2名の研究者が、このKLS予想を証明した。
今回の証明により、log-concave分布に対する普遍的な幾何学的原理が確立された。これにより、高次元空間の振る舞いが従来考えられていたよりも良好であることが示され、次元が増加してもナビゲーションの障害が無限に増大しないという基本原則が確立された。この成果は、科学やコンピューティングで利用されるランダム化アルゴリズムの効率性を理解する上で主要な理論的障害を除去する。
研究は人間主導のエージェント研究プロセスから生まれた。AIシステムが数学的可能性を探求する一方で、研究者がその探索を評価、剪定、方向転換した。AIは候補アプローチの探索、詳細な導出、原稿作成、内部的な証明チェックを支援し、研究者は数学的方向性を決定し、有望なアイデアを選択、最終的な議論にまとめ、証明を検証した。また、この研究は複数の独立した研究者によって検証されており、機械検証済みの形式的検証も行われている。
参考: Microsoft Research Blog (アーカイブ) — 2026年10月22日 01:00 (JST)