Vercelは2026年10月19日(現地時間)、コーディングエージェントのセッション耐久性を向上させるオープンソースパッケージ「durable-harness」を発表した。このパッケージは、PiやClaude Codeを含む既存のハーネスに対し、クラウド環境でのクラッシュや関数タイムアウトからの保護機能を提供する。ハーネスのワークロードがローカル環境からクラウドへ移行する中、長時間のタスク実行における信頼性の確保が課題となっていた。
ハーネスのワークロードはクラウドへの移行が進んでおり、個々の開発者は常時稼働するコーディングエージェントのワークフローを展開している。ローカル環境では、ハーネスはワークスペースとセッション履歴に直接かつ継続的にアクセスできるため、中断された作業の再開は容易だった。
しかし、クラウド上の仮想マシン (VM) と永続ストレージを用いた設定では、VMがモデルやツール呼び出しの完了状況を自動で記録したり、クラッシュ後の中断されたタスクを自動で再開したりすることはない。これにより、失敗したタスクやネットワークエラーは作業の喪失につながっていた。また、全てのハーネスエージェントタスクにサンドボックスが必要なわけではなく、データベースクエリやAPI呼び出しは関数内で安全に実行でき、必要な認証情報がサンドボックスに入る必要もない。
Vercelは、既に「eve」と「fx」をクラウド上で耐久性を持たせて実行できるように構築しており、今回発表された「durable-harness」は、その耐久性をPi、OpenCode、Codex、Claude Codeを含むあらゆるハーネスに拡張する。これはWorkflow SDKの基盤と同じメカニズムを使用し、クラッシュや関数タイムアウトからの回復を可能にする。durable-harnessを用いることで、ユーザーはこれらのハーネスをVercel上で耐久性を持たせて実行したり、自身のPostgresインスタンスでハーネスをセルフホストしたり、ローカルのハーネスワークフローを耐久性のあるものにしたり、独自の耐久性のあるハーネスを構築したりできる。
durable-harnessは、セッションをWorkflow SDKの耐久性バックエンドである「World (ワールド)」に保持するためのアダプターとユーティリティのセットとして提供される。各ステップは耐久性のあるログに書き込まれ、モデル呼び出しやツール呼び出しの前に意図が、完了後に結果が記録される。これにより、クラッシュが発生した場合でも、新しい関数がログから完了した結果を読み込み、中断したタスクを再開できるため、完了済みの呼び出しが重複して実行されることはない。また、Vercelの「Agent Runs」タブでは、各セッションのトレースを表示し、クラッシュ後にタスクがどこで停止し、どこから再開されたかを確認できる。
durable-harnessはVercel Worldのほか、開発環境ではローカルファイル、自身のサーバーではPostgres、MongoDB、Redis、Tursoなどのデータベースに対応する。また、エージェントのツールは、クラッシュ時に再実行しても安全な「safe」ツール(例:ルックアップ)と、重複実行を避けるべき「never」ツール(例:返金処理)として定義可能である。
参考: Vercel Blog (アーカイブ) — 2026年10月19日 22:00 (JST)
原文ハイライト"today we are introducing durable-harness , which extends that durability to any harness"