Anthropic は2026年10月17日(現地時間)、同社が議会に提示しているとされるAI規制法案の草案が漏洩し、その内容について複数の識者から批判が集中している。草案は、以前に提案されたフロンティア法 (FRONTIER Act) と比較して、州法の先制適用規定を強化し、透明性に関する規定を含む一方で、執行に関する規定が弱いと指摘されている。
メディアDon’t Worry About the Vase (Zvi)を運営するズヴィ・モウショウィッツ (Zvi Mowshowitz) 氏は、漏洩したアンソロピックの法案草案について「受け入れがたく、問題がある」との見解を示した。同氏は、この法案がアンソロピックのビジネス利益と政治的リスクの保護を優先しており、安全保障上の考慮が犠牲になっていると指摘している。
複数の専門家も同様の懸念を表明している。ケタン・ラマクリシュナン (Ketan Ramakrishnan) 氏は、この法案を「驚くほど悪い」と評価した。一方、チャーリー・ブロック (Charlie Bullock) 氏は、フロンティア法と比較して、同法案がルール制定や緊急停止権限において「著しく弱い」部分があると指摘する。特に、もし政府がこれらの権限を無責任に振るうことを信用しない場合、それらを抑制する意味はあるかもしれないと述べつつ、全般的に安全基準が後退しているとの見方を示した。
ネイサン・カルビン (Nathan Calvin) 氏は、同法案の先制適用規定が広範に及ぶことや、州裁判所が公衆保護のためにAIモデルの開発や展開を差し止める権限を奪う点に強く反発している。さらに、連邦政府がフロンティアモデルの規制に介入するための基準が「不条理に高い」と批判。壊滅的な損害(50人以上の死亡または10億ドル以上の損害)の差し迫ったリスクがある場合でも、その規制が困難になると指摘している。これは、既存法よりもAIが全人類に脅威を与える可能性から保護されにくくする恐れがあるとの声も上がっている。
また、チャーリー・ブロック氏は、独立監査人の政府によるライセンス制度が法案に含まれていない点も問題視している。ライセンス制度がない場合、監査人らは顧客であるAI開発企業に対して、最も負担の少ない監査を最低価格で提供しようと競争し、監査の質が低下する可能性があると警告した。
参考: Don’t Worry About the Vase (Zvi) — 2026年10月17日 23:42 (JST)
原文ハイライト"Anthropic quietly pitches its own AI safety bill to lawmakers"