リーシュ・バイオ (Leash Bio) は10月14日(現地時間)、DNAエンコードライブラリー (DELs) のデータに基づき、人工知能 (AI) エージェントが科学的推論を行うための新たなプラットフォーム「ミノス (Minos)」を発表しました。同社は数年にわたりDELsから高精度な相互作用データを抽出し、大規模なモデリングに活用。ミノスを通じて、科学的強化学習に必要な「lab-in-the-loop」シミュレーションを数万回規模で実行可能とします。
リーシュ・バイオは、DNAエンコードライブラリー (DELs) と呼ばれる技術を用い、タンパク質と低分子間の膨大な数の相互作用データを高速に収集しています。この手法は、一度に数百万もの分子を評価できる高スループットなプロセスを可能にし、特に創薬研究における有望な候補分子の特定に寄与します。同社は、これまで技術的に困難とされてきたDELsからのクリーンで再現性の高いデータ抽出に成功し、この高品質なデータが大規模な機械学習モデルの訓練に極めて適していることを示してきました。
今回発表されたミノス (Minos) は、この独自に収集されたデータセットを基盤とし、AIエージェントが検証可能な科学的推論を行うための「プレイグラウンド」として機能します。ミノスは、化学空間における探索、仮説生成、実験結果の解釈といった一連の科学的プロセスをAIが自律的に実行するための環境を提供。これにより、創薬研究開発のサイクルを大幅に加速させることが期待されています。
同社は、数年間にわたり収集した膨大なデータが、AIエージェントの科学的強化学習 (RL) に必要な「lab-in-the-loop」シミュレーションを数万回規模で提供できると説明しています。このシミュレーションは、計算環境内で仮想的な実験と学習を繰り返し、最適な分子構造や反応条件を効率的に探索することを可能にします。ミノスは、その詳細がプレプリント、ブログ記事、そしてオープンデータセットとして公開されており、研究コミュニティ全体での活用と発展を目指しています。
リーシュ・バイオは以前、Substackを通じて、Kaggle competition (カグル・コンペティション) におけるタンパク質とリガンドの結合予測問題の未解決性や、分子の「author」情報がその活性予測に有用であるという独自の発見を公開していました。さらに、同社のモデル「ヘルメス (Hermes)」が、公開ベンチマークにおいて高い評価を得ている既存モデル「ボルツ (Boltz)」と肩を並べる性能を示したことにも言及しています。これらの先行研究と技術的蓄積が、ミノスの開発と発表に繋がっています。
参考: Latent Space — 2026年10月15日 05:35 (JST)
原文ハイライト"Lab-in-the-Loop at Compute Speed"