Apple ML Researchは10月15日(現地時間)、マルチモーダルエージェント (multimodal agent) における推論を効率化する新フレームワーク「Selection-based Structured Reasoning (SSR)」を発表した。小型モデルが抱える推論の長さや推論コストの課題に対処し、アクション生成のための有用なガイダンス提供を目指す。推論プロセスをオープンエンドな生成から選択へと再構築することで、効率向上を図る。
Selection-based Structured Reasoning (SSR) は、繰り返し発生する高レベルの推論を事前に指定された再利用可能な自然言語候補として表現する手法である。これにより、モデルは各ターンで、現在のコンテキストに基づいてこれらの推論候補から選択する形となる。この選択ベースのアプローチにより、補助的なタスクヘッドなしで、候補内および候補間でのトークン尤度を共有コンテキストKVキャッシュを使用して並行して計算するteacher-forced prefillingが可能になる。
研究チームは、2Bおよび4Bモデルを用いて7つのマルチモーダル検索ベンチマークでSSRの性能を評価した。その結果、SSRは複数の強化学習 (Reinforcement Learning) 目的と教師ありファインチューニングの両方において、タスクパフォーマンスを損なうことなく大幅な効率向上を実現した。特に、SSRは同規模の主要な検索エージェントと競争力のある平均成功率を達成しながら、1ターンあたりの推論レイテンシを90%以上削減し、質問あたりの総モデル推論レイテンシを28%から54%削減したと報告されている。
本研究は、Feiyu Gavin Zhu氏、Xiaoyu Zhu氏、Jiqi Yang氏、Rui Yang氏らが主導し、Carnegie Mellon UniversityおよびUniversity of Illinois Urbana-Champaignの研究者も寄与している。関連研究としては、2026年7月2日発表のLearning Structured Reasoning via Tractable Trajectory Controlや、2025年5月28日発表のInterleaved Reasoning for Large Language Models via Reinforcement Learningなどが紹介されている。
参考: Apple ML Research (アーカイブ) — 2026年10月15日 09:00 (JST)