arXiv cs.CLは2026年10月13日(現地時間)、大規模言語モデル (LLM) のイベント予測能力が、モデルが持つ膨大な世界知識へのアクセス方法に依存するという論文を公開した。同論文は、現在の予測手法ではLLMの知識を十分に活用できていない可能性を指摘。インターフェース設計がLLMの性能向上に不可欠であるとし、自然言語によるイベント記述と予測空間からのセマンティクス分離が効果的なイベント予測を可能にすると結論付けた。
同論文は、大規模言語モデル (LLM) の時系列イベント予測における有効性を検討した。LLMが広範な事前学習済み世界知識を持つにもかかわらず、一部の単純な専門モデルを下回ることがあるという既存の課題に焦点を当てている。研究チームは、この知識が本来アクセス不能なのか、あるいは現在のイベント予測手法がLLMにとって適切な形式で提示されていないのかという問いを提起し、後者の可能性が高いと主張した。
この課題に対し、研究チームはインターフェース設計の二つの選択肢を中心にLLMを効果的なイベント予測器にする方法を示した。一つは、各イベントを自然言語記述で具体的に基礎づけること。もう一つは、ラベル関連付けによるセマンティックバイアスを防ぐため、イベントのセマンティクスを予測空間から分離することである。この手法を検証するため、約15万のイベントを網羅する新たなベンチマークDescribeEvent (ディスクライブイベント)を導入した。これは7つのデータセットと6つのドメインにわたるイベントレベルの記述を含む。
研究の結果、高性能なLLMはイベント記述とシンボリックラベルから大幅な恩恵を受け、記述なしのモデルや非LLMベースラインの性能を上回ることが判明した。一方、能力の低いモデルではこの効果は限定的であった。これらの結果は、LLMが持つ世界知識へのアクセスはインターフェースの問題であり、イベント記述がLLMに既に組み込まれている知識を引き出す実用的な方法であることを示唆している。本論文はFindings of EMNLP 2026に採択された。著者には、ジジュン・ウー (Zijun Wu) 氏、ジティエン・チャン (Zhitian Zhang) 氏、ホセイン・ハジミルサデギ (Hossein Hajimirsadeghi) 氏、ニキータ・ドボルニク (Nikita Dvornik) 氏、アレクサンダー・パシェヴィッチ (Alexander Pashevich) 氏らが名を連ねる。
参考: arXiv cs.CL (アーカイブ) — 2026年10月15日 13:00 (JST)
原文ハイライト"Can LLMs Access their World Knowledge for Event Prediction?"