arXivのWenbo Hu氏らの研究者グループは2026年10月13日(現地時間)、長期的なタスクを自律的に実行するエージェントの訓練効率を改善する訓練データセット「Tev-Gym」と、進行度を密な報酬に変換する手法「progress-potential reward shaping (PPRS)」を発表した。検証可能で密な進行報酬を備えた長期エージェント訓練データセットとしては初めてのものとなる。
Tev-Gymは、検証可能かつ密な進行報酬を持つ長期エージェント訓練データセットで、7つのドメインにまたがる1,170件の検証済みタスク環境で構成される。構築手法は「latent-world-first」と呼ばれるアプローチに基づく。タスクドメイン、ワークフロー、各ステップ後に期待される状態を完全かつ正確に記述した隠れた仕様「latent world」を先に構築し、そこから各タスクをエージェント向け環境へ順次レンダリングする。この手順により、複雑性の制御と自然な進行度測定が可能になったという。
研究グループはさらに、この進行度メトリックを訓練レシピへ変換する手法「progress-potential reward shaping(PPRS)」を提案した。進行度を密なステップごとの報酬に変換することで訓練効率を高め、従来は訓練が困難だったタスクでも学習を可能にしたとしている。
この訓練レシピを用いて開発されたモデル「Tev-27B」は、Agents’ Last Exam computing and math sciences domains(ALE-CM)で大幅な性能向上を示し、Pass@5の指標でGPT-6 AstraおよびClaude Opus 5と同等の水準に達した。
Tev-27BはALE関連データのみで訓練されたが、Terminal-Bench(TB)3.0および4.0のサブセットにも汎化し、GLM 5.2およびGemini 3.7 Flashを上回る結果を示した。TB 2.1のような中長期タスクでは、Claude Opus 4.8に匹敵する性能に達したという。
研究はarXiv cs.CLに2026年10月13日付で公開された論文「Tev: Scaling Long-Horizon Agentic Environments with Dense Progress Rewards」にまとめられている。著者はWenbo Hu氏ら。論文はhttps://arxiv.org/abs/2610.18868で閲覧できる。
参考: arXiv cs.CL — 2026年10月14日 02:59 (JST)
原文ハイライト"Tev-Gym, the first long-horizon agent training dataset with verifiable, dense, progressive rewards"