Newcomerは10月8日(現地時間)、ベンチャーキャピタルLightspeedがAI分野への投資で初期の出遅れを挽回するため、2023年4月に組織的かつ抜本的な戦略転換を図ったと報じた。同社はOpenAIなどへの先行投資で競合に後れを取っていたが、生成AIスタートアップAnthropicへの大規模投資を通じて、この重要分野での存在感を再確立し、新たな投資戦略が実を結ぶ態勢にあるとみられている。
Newcomerが10月8日(現地時間)付けで報じたところによると、ベンチャーキャピタルLightspeedは、AI分野における投資戦略の抜本的な再構築に着手した。そのきっかけは、ChatGPTの出現から数ヶ月後の2023年4月のある月曜日の朝、Lightspeed Venture Partnerの共同リーダーであるRavi MhatreとBejul Somaiaが、世界中のパートナーに当日の予定を全て空けるよう指示したことに始まる。
両幹部は、ChatGPTの登場が投資業界に与えた衝撃を認識しつつも、Lightspeedがこの新たな局面に十分に対応できていないという強い危機感を抱いていた。当時、Khosla VenturesがOpenAIに早期出資して成功を収めていたのに対し、LightspeedはOpenAIだけでなく、ElevenLabsやHugging Faceといった他の主要なAI企業への投資機会を逸していた。この状況は社内で大きな反省材料となっていた。
Somaiaが主導した会議は異例の7時間に及び、全世界のパートナーが参加した。ヨーロッパやイスラエルにいるパートナーも深夜を過ぎても議論に加わるなど、その真剣さがうかがえた。会議の中心的な問いは、AIが全てを変えるならば、それが真実であるかのように行動するにはどうすればよいかというものであった。パートナーたちは小グループに分かれて議論を重ねた後、全体で再集合し、AI時代の投資戦略について深く掘り下げた。
この会議を機に、Lightspeedは投資戦略と組織構造の抜本的な見直しを行った。同社はAIへの注力を深める組織再編を行い、生成AI、基盤モデル、AIインフラ、AIを活用したアプリケーションなど、多岐にわたるAI関連分野への投資に優先順位を置いた。特に、競合が既に投資している企業を追うのではなく、独自の視点で次世代の有望なスタートアップを発掘することに重点を置いた。
その戦略転換の象徴的な成果の一つが、生成AI開発企業Anthropicへの大規模投資である。Anthropicは、OpenAIの主要な競合として注目されており、安全性と倫理に配慮したAI開発を掲げている。Lightspeedは、Anthropicの技術力と将来性にいち早く着目し、競争が激化するAI投資市場において、その存在感を示すことに成功した。この投資は、同社のAI分野における出遅れを挽回し、新たなリーダーシップを確立するための重要な一歩と位置づけられている。
参考: Newcomer (Eric Newcomer) — 2026年10月9日 02:09 (JST)